~チームJAPAN奮戦記~ 09.10.22 PDGA#6075白井
2005年に初参加のこの夢舞台に、昨年に続いて参加する幸運に恵まれました。
今年は、天候がやや不安定なノースキャロライナ・シャーロットにあるウインスロップ大学で、11回目を迎えるUSDGCが開催されました。世界最高峰とされるこの大会に、アメリカ内外から191名のトップ選手が参加して4日間の熱い戦いが繰り広げられました。
日本では、5月に行われた日本オープンが予選会となり、そこで選ばれた梶山学、実広泰史、白井一夫、松田英明の4名の選手が参加しました。
さて、コースは毎回マイナーチェンジを加えて難しくなっていますが、基本的なレイアウトに大きな変化はありません。
今回のメンバーなら、すべてのホールでバーディーを狙える力は十分に備えています。梶山選手は、練習でバーディーが1度も取れなかったホールはありませんでした。
しかし、OBなしで回ることは、昨年にも増して難しくなっています。
<チームジャパンの戦い>
10月3日(土)にアメリカ入りしたチームJAPAN。現地時間午後6時過ぎにもかかわらず、コース下見にと現地に向かいました。
当日は中秋の名月ということもあり、月明かりで全体像が掴めそうでしたが、初めての松田君はどうだったでしょうか?
結局、18ホールをラウンドしてしまいました。9時過ぎに終わりましたが、無くなったディスクは2枚と流石はトッププレイヤー、投げ出した感覚でディスクの落下地点をほぼ把握していました。
残りの3日間は、1日2~3ラウンドをこなすハードなスケジュールとなりました。
ただし、月曜日は本戦参加5枠をめぐって予選が行われ、本コースは回れませんでした。この日は、天候も小雨程度で支障無いようでしたので、近く(ホテルから40分程度)のとても綺麗なコースに、実広選手案内で行くことにしました。実広選手は、ダブルスでのラウンド経験のあるコースとのことでした。タイトな林間あり、オープンなロングありと気分転換には最高でした。特にゴールの位置は、本戦で台上に設置のゴールがありますが、ここでは自然の地形を利用した高さ3m位のゴールが幾つかあり、本番へ向けての良い練習ができました。3ラウンドしましたが、とても楽しめるコースでした。
練習の方は、皆さん順調に進み、本番に臨む体制は出来上がりました。
昨年も書きましたが、各選手の今回の目標を簡単に列記すると以下のようになります。
梶山選手:60を切るスコアを目指し優勝争いに絡むこと。(優勝者の平均Avは59.5)
実広選手:一日5アンダーをベースとしてシード権獲得。(実際は-18が20位シード圏)
松田選手:イーブンパーを重ねて予選突破。
私:ベストスコアを重ねカットラインをクリアして4日間ラウンドする。
※カットラインは、約3.5割がカットの3日間終了時点で+12(昨年は+19)でした。
10月7日(水)いよいよ試合開始です。
梶山選手は、初日、-2と余裕を持ってのスタートでしたが、5バーディー3ボギーとバーディー数がやや少ない感じで、出だしから思うようにいかないと、迷いが出るのが少し心配です。
実広選手は、初日+1予想を大きく下回る結果。しかし、パー3で4つのバーディーは、ショットが安定している証拠。ダボが2つありスコアが伸びませんでしたが、2日目以降が楽しみです。
松田選手は、初めての緊張からか、+7、バーディーが2つでこのスコアは、よく耐えたラウンドだったと思います。
私は、78と改めて難しさを思い知らされるラウンドでした。
2日目:
梶山選手。練習では、じっとバーディーチャンスを待って確実に決めていくと、8~9個のバーディーは取れていたのですが、今日も6バーディーと今1つ伸び悩んでいます。3日目からは、私が早く終わるので、梶山選手のキャディーをさせてもらおうと思います。トータル-5。
実広選手は、13番ホールが鬼門のようです。初日は何とかパーで上がったものの、2アンダーで迎えたこの日は、なんとトリプルボギー。一気にオーバーパーにしてしまいました。明日以降このホールが鍵になります。トータル+1。
松田選手。さすがに飛距離を生かしてバーディーが取れるようになって来ました。この日は6バーディー。ダボが3つは攻めた証、このペースなら予選突破も可能な位置に来ました。今年は120位が予選突破ラインとの情報があり。昨年よりかなりレベルが上がりそうです。トータル+9.
私は、向かい風ホールで、セーフエリアに届かないホールがあり苦戦。81と予選突破が難しくなりました。
3日目:
梶山選手。相変わらずバーディーの数が増えません。3番ホール投げ下ろしの113mで、ハイザー気味に投げ出されたディスクが思いのほか起きずに左のOBへ。ここをダボとしてこのラウンドはオーバーパー先行のラウンドとなりました。ボギー先行のラウンドが続きアンダーパーになったのは、17番アイランドホールでバーディーを取った1ホールのみという苦しいラウンドでこの日はイーブンパーでした。後半に入ってくるとショットに何時もの切れが無く、思い切りの良さが影を潜めています。海外では始めてみる悪い状態です。明日は、思い切りの良いショットを期待したいところです。
実広選手。この日のラウンドは、苦手13番でボギーを叩いたものの、ほぼ思い通りのラウンドで-5。乗ってきた感じです。明日が楽しみです。
松田選手。13番まで1アンダーパーで、目標に近づいていましたが、難しい13番を終わって気が緩んだのか、なんでもない14番でダボを叩いたのが残念でした。しかし何とか持ちこたえて70。予選カットラインを2打クリアして決勝進出を果たしました。今回は、平均72のスコアが丁度でしたので、かなりのレベルアップです。大健闘の松田選手です。
私は74のラウンドでしたが、2日目同様、パワー不足を痛感したラウンドとなりました。
最終日:
梶山選手の1組前を実広選手がラウンドすることになりました。昨日の好調を維持する実広選手は前半を終わって5アンダーパーとなかなかのビックスコア。一方梶山選手は、思い切りの良いショットを心がけてのラウンドとなりましたが、バーディー、ボギーが交互にくる苦しいラウンド。しかし何とか前半をイーブンパーで後半に望みを繋ぐこととなりました。2人の状況を見ながら回れることも、そうあるものではありません。ドキドキ感も2倍以上でした。
後半、まず実広選手が13番に挑みます。11番でダボとしましたが、12番でイーグル、この流れから1投目が注目されましたが、1投目はサイドスロー。なんと20mしか進みません^^);;。2投目はローラー、帰りきらずOB、リティーは再びサイドで攻めるも、またしても・・・30m前進のみ、3打目でなんと50mしか進めませんでしたが、それでも何とかボギーの6で収めて-4(フー^^)。続いて梶山選手。パーが続いてストレスが溜まっていました。実広選手と同じローラーを試みましたが帰りきらずOB。ここを痛恨の7として+2。苦しい展開となりました。
16番を終わってこの日のラウンドは、実広選手、昨日より1つスコアを伸ばす-5、梶山選手は+1で最後の難関17番(アイランド)18番に挑みました。
実広選手は、アイランドを無難にパーで切り抜け18番へ。バーディーを取ればトータルで大台の10アンダー。USDGC自己記録で終わることになります。期待が膨らみましたが、アプローチを攻めすぎて残念ながらダボとなり、トータル-7で終わりました。
梶山選手は、17番で嵌りました。アイランドに3回目で乗せてダボ。18番はバーディーとしたものの71と信じられないスコアでトータル-2となって、順位も71位となりました。
松田選手は、中盤で3オーバーとややストレスのラウンド。「後半は悔いの残らないように」と声を掛けたせいか?攻めに攻めて82。後半バーディーはありませんでした。練習と同じことがいかに出来るか、そこがとても大切であることを、身を持って体験したラウンドでした。
今回の優勝者は10代のニコー選手でした。世界の進歩の速さに驚くばかりです。
上位常連者に混じって、新たな選手が上位に名前を連ねる。この代謝のスピードが、上位の層をどんどん厚くしていくようです。少し足踏みをしていれば、あっという間に順位が下がる。足踏み=後退の図式が今の世界の流れのように感じた今回の大会でした。
最後になりましたが、渡航の手配をはじめ、大会に必要な各種協賛等協力頂いたJPDGA、㈱ヒーロー様に心よりお礼を言いたいと思います。来年はJOの年。世界の流れを肌で感じられる機会に恵まれます。休日を利用しての観戦を今から計画してはいかがでしょうか?
「百聞は一見にしかず」と言います。参加選手のキャディーを志願するのもいいアイデアです。もし了解が取れれば、勝負の真っ只中にいることが出来ます。とても勉強になると思いますがいかがでしょうか。