第11回みちのくオープンが、8月20日、21日の2日間、岩手県北上市の北上総合運動公園および岩手県立翔南高等学校敷地内の特設コースで開催されました。
国体イヤーの今年は、施設利用や会場使用での制限がありましたが、「みちのくの基本」というべき「池越え・池周り・林間」を中心に設定した「難しく面白いコース」を楽しんでいただきました。天候的にもここ2・3年では最高のコンディション(?)の中、参加選手は、目まぐるしく変わる天候や真夏の暑さ、高い湿度に対応しながらのラウンドとなりました。技術とともに精神力も試される「みちのく」なのだと改めて感じました。
また、今大会の前日(公式練習日の午前中)には、国民体育大会「希望郷いわて国体」のデモンストレーションスポーツとしてダブルス大会を行い、90名を超える参加者に楽しんでいただきました。県内(北上市内)にも国体デモスポを機会にディスクゴルフを始めたプレーヤーがたくさん現れ、今後の活動に明るい光がさしてきました。
今年も素晴らしい会場を提供してくださった岩手県立翔南高等学校をはじめとする関係各位、全国から参加してくださったプレーヤーの方々に対し、あらためて感謝申し上げます。
(トーナメント・ディレクター:黒渕正人)
ここからは、みちのく名物「スタッフリポート」となります。ディスクゴルフを愛する岩手協会メンバーのレポートですので、長文・迷文は、なにとぞご容赦ください。
【アマ部門】「アドバンス」
みちのく常勝の山口(栃木)が第1Rこそ出遅れたものの、第2R、第3Rを1オーバー「60」でしっかりまとめ、安定した強さで見事4連覇を達成した。2位は第1Rトップだったものの逆転を許した栃木県の姫井、3位には秋田の阿部(良)が入った。4位争いは、決勝スタート時点で並んでいた佐々木(宮城)と三浦(北海道)だったが、#16で明暗が分かれ、4位佐々木、5位三浦という結果となった。
「アドバンスレディース」
連覇していた山口亜衣(栃木)がプロレディースに参加したことで、群雄割拠の状態となったこの部門。第1Rは東京都の須田(優)がリードしたが、小林(千葉)が第2Rに逆転、10差以上のリードをもって初日を終えた。二日目も、小林の勢いは止まらず、さらに差を広げ優勝。須田(東京)は、波に乗れず2位。駒場(宮城)は第3Rにスコアをまとめきれず悔しい3位となった。
「マスター」
第1Rから部門トップスコアで回った原田(秋田)が決勝ラウンドでの村上(岩手)の猛追をかわして優勝。2位は、惜しくもあと1投届かなかった地元岩手の村上、3位は予選からコンスタントにスコアをまとめた星(宮城)、攻めのプレーが実らなかった万崎(福島)が4位となった。
「マスターレディース」
地元岩手の伊東(礼)が危なげなく優勝。福島の菜花は、第3Rで5差を縮める健闘をみせたが及ばず2位。国体参加を目標に昨年から練習を始めた岩手の千葉が3位となった。
「グランドマスター」
第1Rに「59(イーブンパー)」で飛び出した地元岩手の菊池が、初日を終えた時点で7差のリード。2日目も安定し、ベストアマとなる「198(+1)」で優勝。2位は昨年度の覇者白井(芳)、3位は福島の吾妻との接戦を制した眞坂(秋田)が、4位は吾妻(福島)となった。
「グランドマスターレディース」
栃木の渡辺(洋)が終始安定したスコアでラウンドし、大差をつけての優勝。2位争いは、1投を争う緊迫したラウンドであったが、地元岩手の安齋が大井(孝)をわずか1差で抑え2位。福島の大井は1差及ばず3位となった。
「シニアグランドマスター」
アマ部門中最も参加者が多かったこの部門。宮本(茨城)が第1R抜け出したかと思われたが、第2Rに同じ茨城の山田が「59」でラウンドし一気に緊迫。2日目には、大井(俊)の追い上げや決勝Rで内堀(茨城)の猛烈な追い上げにより1差を争う状況になった。優勝争いはサドンデスになり、18番ホールでの優勝決定戦の結果、山田が優勝、2位は大井(福島)、3位は宮本、4位は内堀(茨城)となった。
「シニアグランドマスターレディース」
福島の児玉が終始安定したスコアでラウンドし、大差をつけての優勝。2位、これまた順位変動のない状況で茨城の内堀(弘)が入った。初出場、鹿児島から参加の浜上(和)は、右投げ左投げを駆使しながら攻略を試みたがタイトなコースに手こずり3位となった。
【黒渕正人】
【プロ部門】「プロオープン」
第1ラウンドは松田英明選手が早くも2位と3打差をつけるスコアを出し、このままのペースで進むのかと思えた。しかし第2ラウンドに入り、2位タイにつけていた菊地哲也選手が今大会トップの49というスコアを叩き出し一気に1位へ浮上した。第3ラウンドは2位争いの高倉大選手と松田英明選手、さらに4位争いの坂井佑太朗選手と川崎篤人選手、青木雅樹選手の非常に白熱したものとなった。しかしセミファイナルにて3名で行われていた4位争いが一変し、坂井選手と川崎選手に絞られた。そしてファイナルにて坂井選手が川崎選手を離し4位を獲得した。一方、2位争いは高倉選手が松田選手から逃げ切り堂々の2位を獲得。そして素晴らしいスコアを安定して出し続け、第2ラウンドから独走していた菊地選手が、13名で繰り広げられた戦いの中、見事に優勝を果たした。
【横田健次郎】
「プロレディース」
決勝は1位:佐藤幸子選手、2位:山口亜衣選手、3位:柿本千枝子選手、4位:兼弘真由実選手で争われた。
スタートの♯3は、どの選手も安定したショットでスコアに変動はなかった。
続く#16、佐藤選手と柿本選手が共にOBとなり、ここで山口選手がロングパットを決め、佐藤選手との差を縮める。
#17の(トリプル)マンダトリーでは、皆ドロップゾーン付近に置く戦術の中、柿本選手の攻めのショットが素晴らしかった。
♯18、♯1でも、佐藤選手は崩れることが無く、追い上げが難しくなってくるかに思われたが、山口選手の安定したロングパットで少しずつ差が縮まっていった。
最終♯2は、ショートホールながら、皆ベストショットとなり、佐藤選手の優勝となった。
2位は2打差まで追い上げた山口選手、3位は終始攻めの姿勢を崩さなかった柿本選手、4位は追い上げが叶わなかった兼弘選手となった。
【伊東 礼子】
「プロマスター」
暫定トップの柴原選手と1投差で2位の平林選手、また平林選手と1投差で3位の高倉選手、そして準決勝で岸選手を逆転し4位に残った丹治選手の4名で決勝スタート。
スタートホール16番:各選手落ち着いたティーショットでスタートするが、セカンドショットで高倉選手がOBとなり差が広がる。
17番、18番ホール:柴原選手と平林選手がパーであがりスコアに変更はなし。
1番ホール:平林選手のセカンドショットがゴール手前8mでバーディーをとり柴原選手とスコアが並ぶ。
2番ホール:お互いパーであがり最終ホールへ。
最終3番ホール:オーナーの平林選手のティーショットはゴールまで30m地点に置く。続く柴原選手のティーショットが右側に反れて木の根元近くに落下。セカンドショットで距離を縮める事が出来ずボギー。平林選手のセカンドショットはゴール手前4mでパーを取り逆転優勝となった。
【村上明光】
「プログランドマスター」
第1ラウンド飛び出したのは藤井(埼玉)と釜井(栃木)。1アンダーとなる「58」でまとめ、5差リードで折り返す。藤井は、続く第2ラウンドでも「54」とさらに伸ばして独走態勢に。金子(東京)とカール(栃木)が「58」で追撃を始める。二日目の第3ラウンド、第2ラウンドの流れそのままに金子とカールが「58」とし、何とか逆転をめざして決勝に進んだ。決勝は僅か6ホール。準決勝を終えてトップは藤井、次いで10差を追う2位に金子とカール、さらに2差離れて釜井。数々の大会で波乱が起き、あるいはドラマが生まれ、何が起こるかわからないグランドマスター部門であっても、6ホールでの10差はまさにセーフティ。藤井は(マスター部門での第6回大会の優勝以来5年ぶり)グランドマスターとしては初となる優勝に輝いた。2位には決勝で金子を振り切ったカール、3位は金子、4位は釜井という結果となった。
【黒渕正人】
「プロシニアグランドマスター」
予選3R、準決勝(6H)を終え、決勝はトップ大滝(秋田),6投差で諸岡(東京),17投差で高野(秋田),さらに4投差で五味渕(栃木)が進出した。風の強い中,#1.2.3.16.17.18の6Hで行われ、#18からスタートした決勝は順調?に進むかに思われたが、手堅いプレーをしていた高野が#16でOBを連発、それを引きずったのか最終ホールとなる#17もダブルボギーとし、パーで上がった五味渕と並んだ。優勝は大滝が逃げ切り、2位には6投差のまま諸岡、五味渕と髙野が同スコアで3位タイとなった。うだる様な暑さの中、熱いプレーお疲れ様でした。
【菊池茂樹】