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2016 PDGA World Championships presented by Dynamic Discs

2016/8/6~13にカンサス州のEmporiaで行われた、2016 PDGA World Championships に参加しました。今回のレポートでは、コースについて、Paige Pierce選手について、梶山選手Semi Finalについて書きたいと思います。


コース
 Emporia は非常に気温が高く、私と塚本選手がアメリカに着く前日の気温は、なんと44℃!そんな中、梶山選手と白井選手は、ほぼ日陰のないEmporia Country Clubで練習したと聞いたので驚きました。もはや修行です。内心、「前日着じゃなくてよかった…」と思いました。
 今年のコースは、3ヶ所4コースで、去年のコースに比べるとオープンなコースが多いという印象でしたが、OBエリアが随所に設けられ、ラインは選べるけど落としどころをきちんと考えなければならない、2投目以降もOBの可能性があるといったコースでした。

Paige Pierce選手
 運よく1ラウンド目のパーティーに、去年のワールドチャンピオンで、今年2位になった、Paige Pierce選手がいました。Paige選手と初めてラウンドしたのは、2011年のワールドの時。当時彼女はまだ10代でしたが、ディスクゴルフ歴は13年だと言っていて、「飛ばすなー!」と思ったのを覚えています。その頃は、私と同じパーティーにいる位の力量でしたが、2014年のJapan Openで一緒にラウンドした時には、ちょっと手が届きそうにない存在になっていました。
 1ラウンド目ということもあり、Paige選手も本調子ではなかったようで、ティーショットをミスする場面が何度かありましたが、きちんとセカンドでリカバリーをしていて、セカンドがよらなくてもパットを無理やりねじ込み、ボギーを取らないゴルフをしていました。印象的だったのは、Peter Pan Parkの5番ホール。ティーエリアから一段下がったエリアにゴールがあり、ティーエリアはOB、ゴールエリアの右に真っ直ぐ川が走っていてそこもOB、左右には木があるので、木に当たるとかなりの確率で川に。木のエリアを抜けると、左側はオープンになっているホール(説明がへたくそ…)。私は練習の時から、距離は稼げなくても、木に当てないように左のオープンエリアに1度出すことしか考えていませんでした。Paige選手のティーショット、「珍しくドライバーを持ったな…」と思ったら、タイトな空間に向かって迷いのない振り切り。ストレートに投げ出されたディスクはやや起きてそのまま伸び、最後に左に帰ってきてゴール手前10m。ティーエリアとゴールを結ぶ直線上にディスクが落ちる、圧巻のショットでした。
Paige選手はおそらく、FPOの中で一番ドライバーを使わない選手です。それだけ飛ぶので要らないのでしょうが…。バックの中は、パターやミッドレンジが大半で、サイドポケットに数枚ドライバーが入っていました。飛ばないディスクを上手く投げることで、決勝常連の安定感を築きあげています。
FPOのトップ選手は、私が毎ホールベストショットをすれば、同じ位のスコアで回れるかなといった感じで、まだまだ世界の壁は高いです。

梶山選手Semi Final
 今年、またもや準決勝に残れず、大会5日目が暇になってしまった私は、梶山選手のキャディをさせてもらいました。Steven Rico選手、Janne Hirsimaki選手、Collin Bailey選手と同じパーティーで、Collin選手以外の3人は、第4ラウンドと同じメンバーでした。
Steven選手は、寡黙な中に闘志がみなぎっていて、前半スコアを崩しても最後にはちゃんとまとめてくるところがさすがでした。4ラウンド目の10番ホールでホールアウトするのを忘れていて、キャディに言われて恥ずかしそうに戻っていく、ちょっとお茶目な一面も垣間見ることができました。
Janne選手は、フィンランドの選手で、サイドが上手く、バックハンドもきっとかなりの飛距離を持っていますが、父親らしきキャディの人の教えか、かなりセーブした試合運びをしていました。後半スコアを崩しましたが、全く態度には出さず、終始穏やかでパーティーの空気を和ませてくれる存在でした。
Collin選手は、梶山選手と同じチームProdigyの若い選手で、左手をあまり動かさない独特のスタイルで非常に伸びやかなショットをする選手でした。ミスを恐れずガンガン攻めるタイプだったので、Collin選手に感化されて梶山選手も思いきったプレーができたのではないかと思うホールがいくつかありました。
梶山選手は、攻守の選択をギリギリまで悩む場面が何度かありましたが、ミスをしてからの切り替えが早く、ティーショットにも安定感がありました。最終ホールまでパーティトップの8アンダーで、一番うまく「ゴルフ」をしている印象を受けました。
試合が動いたのは最終7番ホール。8番ホールのティーエリアが7番のセーフエリアにあることで、つまりがちなホールでした。案の定、2つ前のパーティーまで待っている状態で、プレー再開までにかなり時間が空いてしまいました。梶山選手のティーショットは、狙いよりもやや左に投げ出され、松の木に入ってしまいます。松の木の左からアンハイで投げるか、右からサイドアンハイで投げるか迷った2投目、やや左からの風だったため、サイドアンハイを選択した梶山選手のディスクは、OBライン上に乗る惜しいショットとなりOB。このホールはゴールエリアがアイランドになっているため、セーフエリアを横切っていないと判断され、ここで痛恨のボギー。最終的に7アンダーの54とし、30位で終了しました。最終ホールをバーディで終えたSteven選手が、9アンダーで21位。この1ホールでほぼ10位も順位が変わってしまうほど、僅差の戦いでした。
試合を間近で観戦して、ボギーを出さずにバーディを量産しなければいけないOpenの部門で、これだけ落ち着いて、無理することなくスコアを伸ばして行けるということがどれだけすごいことか…と思いました。

現地では、白井選手、梶山選手、関口選手、木宮選手、塚本選手、Andy選手に本当にお世話になりました。
韓国のヒョンド選手、シナ選手とも嬉しい再会が出来ました。また、快く送り出してくれた家族や友人にも感謝しています。
JPDGAからチームジャパンのポロシャツも頂きました。応援してくださった皆様の期待に沿えず、今年もまた悔しいアメリカ遠征となってしまいましたが、諦めずに頑張りたいと思います。

岩﨑麻由