第 35 回日本選手権 大会所感
Update:2023/06/12
於 南相馬市馬事公苑
アマチュア部門 2023年4月29~30日
プロ部門 2023年5月4日~5日
アマチュア部門 2023年4月29~30日
プロ部門 2023年5月4日~5日
第35回日本選手権は昨年に引き続き福島県南相馬市馬事公苑で開催されました。
第35回日本選手権は昨年に引き続き福島県南相馬市馬事公苑で開催されました。
南相馬市馬事公苑は1995年の福島国体の馬術競技場として開設され、数年後には施設の有効利用の一環としてディスクゴルフコースが開かれました。その後徐々に南相馬市(当時は原町市)でディスクゴルフ熱が盛り上がり、地元有志の方々の努力が継続されて(現在の南相馬市ディスクゴルフ協会)公認戦や公式戦を経て2008年秋には第20回日本選手権を開催するまでになりました。この馬事公苑はほぼフラットな地形にオープンエリアと林間エリアがバランス良く配置され、広さも充分で日本選手権開催には申し分ない条件でした。そんな好条件の開催地を得て日本選手権はこの地で2010年まで3年連続で開催され翌2011年も4年目が開催されるはずでした。
ところが… 2011年3月の東日本大震災、そして何よりも福島第一原発の事故、原発から20キロの境界線上にあった馬事公苑は閉鎖、数年間は立ち入ることも叶いませんでした。その後、表土を剥がす等の除染作業を経て事故から11年経った昨年(2022年)春に土中に埋めていた除染表土の撤去作業が終了し、馬事公苑ディスクゴルフコースはようやく解放されました。このコース復旧までの年月は地元のディスクゴルフ愛好者にとっては果てしなく永く、継続的な忍耐力が必要でした。改めて南相馬市ディスクゴルフ協会及び彼らを応援してこられた全ての方々に敬意を表します。そして、まだまだ復興途上にある福島のこの地での日本選手権開催はより良い未来への手助けになればと願っています。
さて第35回日本選手権はアマチュア部門とプロ部門が別日程で開催されました。
アマチュア部門はコロナウィルス感染症などの影響もあって低迷していた参加人数が昨年の28名から46名に大きく回復し、今後のアマチュア部門のさらなる盛り上がりを予感させます。
アドバンスでは16歳の若武者「荒波健太」と実力者「登玉健太」が大接戦となりサドンデスでのプレーオフの結果、1番ホール(120mPer4)でバーディを奪った「荒波健太」がアドバンスクラスを制しました。
アドバンスレディースでは「佐藤春菜」が2位以下を寄せ付けず快勝。
この結果、アドバンスから「荒波健太」「登玉健太」の2名、アドバンスレディースから「佐藤春菜」が日本シリーズの出場資格を獲得しました。
プロ部門では日本選手権では初めてオープンクラス単独のティーエリアを採用しました。近年の若手プレイヤーの主に飛距離のレベルアップに対応したものですが、今後はこのよ
うな運用が増えていくと思います。
オープンクラスではやはり常勝「梶山学」が勝利し12連覇、トータル16回目の日本チャンピオンになりました。「シメル航」は3R目にベストスコアの54(per62)を記録して「梶山学」に迫りましたが惜しくも届かず4ストローク差の2位でした。
3位に「福田孝一」、4位にはなんとアマチュアの「荒波健太」が入り潜在能力の高さに驚かされました。
レディースクラスは昨年初参加で2位と衝撃的デビューをした「平田風花」が初優勝。昨年チャンピオンの「渡部麻里」は1R目の出遅れが最後まで響いてしまい2位でした。3位に「飯田美仁」4位には「齋藤真里奈」が入りました。
オープンクラスの「梶山学」とレディースクラスの「平田風花」は2024年のPDGAチャンピオンズ・カップに招待されます。
今年の日本選手権では下記のように多くの方々のご支援を賜りました。(以下敬称略)
・「南相馬市」からは大会会場の使用許可及び大会支援金の提供
・「INNOVAJAPAN」はアマチュア部門の出店と用具の値引き販売
・「discmania」からはプロ部門の参加キット(オリジナルディスク)の提供
・「とやまフライングディスクストア」はプロ部門の出店と大会協賛金の提供
・「D.ch」「KUROFUNE」は映像提供及びプロ部門の出店と大会協賛金の提供
・「一平商会」はプロ部門の出店と淹れたてコーヒーなどの提供
・「DiscSports」はプロ部門の出店
・「TOVUCANVAS」はプロ部門の出店
その他もちろん南相馬市ディスクゴルフ協会の方々の協力は欠かせませんでした。なによりも多くの方々のご支援で成立った日本選手権でした。
改めまして日本選手権に関わって全ての方々に御礼申し上げます。
ありがとうございました。
第35回日本選手権トーナメントディレクター 江原隆夫