第22回東北オープン 大会所感
Update:2022/10/17
第22回東北オープンが、10月9、10日の両日、秋田県由利本荘市水林スポーツ公園において、プロ41名、アマ13名の参加により開催されました。
東北オープンに付き物といえば強風ですが、今回は天気予報ほどには吹かず、2日目はやや強い雨に見舞われましたが、結果的には、プロの決勝ラウンドを6ホールに短縮しただけで、予定通り実施することができました。大会翌日は、1日中強風が吹き荒れ、1日ずれていれば大会運営に大いに頭を悩ますこととなったかと思うと、安堵しています。
今回のコースは、水林の常設コースをベースとして、ショート&タイトな設定に、お約束のアップダウンを随所に加えたテクニカルな構成としました。東北オープンのコンセプトであるプロ・アマ同一コースで、プロは持てる技量をいかんなく発揮し、アマは、プロの妙技に触れながら、大いに刺激を受けて欲しい、との思いです。
初日、水林にしては穏やかな「そよ風」の中での第1Rは、大会初参加の高倉大選手が、コースレコードとなる45で飛び出し、稲田裕音選手が48、水林を知り尽くしている白井一夫選手が49と、40台の好スコアが続きました。このところ好調な横田健次郎選手が50で4番手に付けます。アマでは、今回はアドバンスで出場の地元真坂正男選手が、全体で10番目の55で回り、後続に大差を付けます。
2ラウンド目は、風もさらに弱まり、好スコアが期待されましたが、ここでも高倉大選手がただひとり40台で周り、独走態勢に入ります。プロレディースは水林デビューの平田風花選手が、アップダウンに苦しみながらも正確なショットでトップに立ちます。2位には3投差で兼弘真由実選手と関口成子選手が並び、4番手には、1ラウンド目66と出遅れた兼弘成望選手が13投スコアを縮め53の1アンダーで猛追します。マスター40+は、日本シリーズ4位の実力者柴原伸幸選手が、2位の丹治憲明選手に3投差、3位の武田一広選手に14投差をつけトップで折り返します。マスター50+では、藤井善行選手がトータル2アンダーで独走態勢に入ります。今大会13名のエントリーがあったマスター60+は、金子栄治選手と櫻井康生選手がトップに並び、2投差で大島竜也選手と大滝朗選手が続きます。
アマチュア部門では、アドバンスの真坂正男選手が、2位以下に大差をつけて独走。マスター50+は、1ラウンド出遅れた村上明光選手がなんと16投詰めて、トップの黒渕正人選手と2位の斎藤武志選手を追いかけます。マスター70+は、水林の常連白井芳一選手が安定したプレーを見せ、2位以下を大きく引き離します。アドバンスレディースは、金子慶子選手が渡辺洋子選手に5投差をつけて初日を終えました。
2日目は、暴風雨との天気予報もあり、大会本部ではやきもきしましたが、暴風はなく、断続的な雨となり、予定どおり、3ラウンドとプロ準決勝、アマ決勝、プロ決勝を行うことが出来ました。
プロオープンでは、この日もショット、パットとも好調を維持した高倉大選手が、トータル18アンダーで、東北オープン初優勝を飾りました。2位には横田健次郎選手と三浦奏選手が4アンダーのタイで並び、4位に1アンダーの白井一夫選手が入りましたが、トータルでのアンダーパーはこの4人だけとなり、短いのにアンダーで回れない水林マジックが今年も健在でした。3年前の覇者佐々木健二選手は、5人決勝で巻き返しを狙ったものの1投及ばず5位となりました。プロレディースは、初日トップに立った平田風花選手が、この日も堅実にスコアをまとめ、みちのくオープンに続いての水林初優勝を飾りました。ディスクに取り組む姿勢や練習熱心さなど、日本のトップレディースプレーヤーへの期待が膨らみます。2位には、兼弘真由実選手と兼弘成望選手がタイスコアで並び、3ラウンドまで2位争いを続けた関口成子選手は、2位に4投差の4位となりました。
マスター40+は、柴原伸幸選手が安定したプレーを続け、2位以下との差を広げそのまま逃げ切りました。丹治憲明選手は、3ラウンドの#3でエースを出すなど追いすがるものの、7投差で2位、3位は武田一広選手となりました。マスター50+は、藤井善行選手が後続との差をさらに広げ、トータル2オーバーで優勝。前回優勝の伊東格選手が、3ラウンドまで並んでいた平林錠太郎選手を振り切り2位に。平林選手が5投差の3位となりました。マスター60+は、4投差の中に6人がひしめき合う混戦模様でしたが、準決勝で、全体トップの3アンダーで抜け出した河合伸浩選手が、決勝も終始安定したプレーで優勝しました。今年も河合選手には水林の神様が微笑んでくれたようです。2位には5投差で金子栄治選手、さらに5投差で大滝朗選手と櫻井康生選手が3位タイで並びました。水林の仙人:88歳の高野貞雄選手は、12位ではありましたが、随所に好プレーを見せ、スーパー鉄人ぶりを発揮してくれました。
アマ決勝は、アドバンスでは、真坂正男選手がその差を大きく広げ、2位以下に大差をつけて完勝。2位にはU19から繰り上がった成長著しい村上直輝選手、3位は公式戦初出場の後藤康太選手となりました。アドバンスレディースは2名の争いとなりましたが、金子慶子選手が前日までの差を大きく広げ優勝。渡辺洋子選手が2位となりました。マスター50+は、岩手県勢同士の戦いになりましたが、黒渕正人選手が6投差で逃げ切り優勝。後半追い上げた村上明光選手と、斎藤武志選手が2位タイで並びました。マスター70+は、常勝白井芳一選手が田中昭男選手に大差をつけて優勝しました。久々に参加の池長武志選手も、高野選手と楽しそうにプレーする姿を見せていただき、ディスクゴルフは素晴らしいとの想いを新たにしました。
3年ぶりの開催で、行き届かない点が多々あり、皆様にはご迷惑をおかけしたと思いますが、なんとか予定通り開催することができてホッとしております。「これが常設?」、「上り下りがきつい、狭い」、「日本海と男鹿半島がきれい」などという声が多く聞かれ、球場投げ下ろしの復活リクエストもいただくなど、来年に向けていろいろ構想を練っているところです。
表彰式では、恒例の秋田の特産品が全員に当たるお楽しみ抽選会も行われ、新米、地酒ほか秋田の名産をたくさんお持ち帰りいただきました。
各部門で優勝された皆様、おめでとうございました。
そして入賞者の皆様、残念ながら入賞できなかった皆様も、不思議に満ちた東北オープンへまた是非お越し下さいますよう、スタッフ一同、心からお待ちしております。
最後に、今大会の開催にあたりましてご協力くださいました岩手県協会の皆様、JPDGA、由利本荘市、由利本荘市教育委員会、本荘地域スポーツ推進委員協議会ほか協賛いただいた皆様、撤収をお手伝いいただいた選手有志、ご参加いただいた選手の皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
第22回東北オープントーナメントディレクター
秋田県ディスクゴルフ協会副会長 大滝 朗