第34回日本選手権 大会所感
Update:2022/05/20
2022年 5/4-5 南相馬市馬事公苑
第34回日本選手権は12年の歳月を経てこの南相馬市馬事公苑に帰ってきました。
2011年5月に開催を予定していた第23回日本選手権は同年3月11日に発生した東日本大震災で開催は叶わず、直後の福島第一原発事故は故郷の復興を願う福島の人々を長い間苦しめてきました。そんな状況でありながら大村さんはじめ南相馬市ディスクゴルフ協会の方々は公苑の除染が終わると早速に活動を開始しました。この地で日本選手権が再び開催出来たのはこの地元の皆さんの地道な努力があったからに他なりません。改めて心より感謝申し上げます。
さて、日本選手権のエントリーは開始から1週間ほどで予定の100名を突破するという前例のないスピードであっという間に終了してしまいました。結果、プロ部門76名、アマ部門28名の計104名の選手が日本一を目指して競い合うことになりました。
幸い公式練習日を含めて大会期間3日間は好天に恵まれ、各部門で熱戦が展開されました。
プロ・オープンは2R目まではやや苦戦しているように見えた梶山学(以下何れも敬称略)が3R目からは流石「世界の学」の片鱗を見せ最後は-23の独走で日本選手権11連覇を達成しました。2位は実広泰史が準決・決勝の18Hでー10を記録、トータルー14と実力者の健在ぶりをアピールしました。3位は惜しくも2位に1ストローク及ばずー13の福田孝一。3R終了時に梶山まで3ストロークと迫っていたシメル航は準決勝で後退し、ー10で4位となりました。
プロ・レディスでは渡部麻里が宮城の新星、平田風花の挑戦を退け嬉しい日本選手権初優勝。プロ・マスターは菊地哲也が独走、全体でも2番目のー16で圧勝しました。プロ・マスターレディスでは兼弘真由実が完勝。プロ・グランドマスターは初日に出遅れた実力者、川崎篤人が3R目のー2で原孝夫を逆転し勝利しました。プロ・シニアグランドマスターは2Rを終了して秋田の山本浩隆がトップに立ちましたが、最後まで安定感のあるラウンドを続けた藤井善行が昨年に続き2連覇を達成しました。
一方アマ・アドバンスでは2Rを終了時点でRowland Robertが2位に7打差をつけてトップをキープしていましたが、3R目に山口太陽がー4をマークし逆転勝利し、2連覇となりました。2位タイに登玉健太、小寺敏光、Rowland Robertの3選手が並びました。アマ・レディスは佐俣和木と北原三保子が最後まで接戦を展開しましたが、決勝で抜け出した京都の佐俣和木が初優勝。アマ・シニアグランドマスターは地元南相馬の大井敏夫が岩手の実力者、斎藤武志を振り切ってこちらも初優勝でした。
第34回日本選手権を終えて、新しい若いプレイヤーのレベルアップの速さに驚きました。そしてこの先とても楽しみになりました。オープンのシメル航、高倉大、荒波健太、島影武司、永井孝人そしてレディスでは平田風花、飯田美仁など、近いうちにこの中から日本選手権の新しい覇者が誕生するかも知れませんね。
最後になりましたが、今回の日本選手権は18ホールに26組がプレーする試合運用となり、予定時間内に全ての競技が終了するかどうかは正直不安がありました。また一方で日本選手権は国内最高峰のトーナメントであるべきとの思いから、スケジュールの変更や短縮は極力避けたいとも思いました。今回の特設コースはPer4以上が9H と1Hに2組入れるホールも多くあり、予定されたスケジュールからは大きく遅れないと考えていましたが、最終日は1時間近くも予定時間をオーバーしてしまい、帰宅する交通機関を予約されていた方や次の予定の為にお急ぎの方にはご迷惑をお掛けしました。この場を借りてお詫び申し上げます。
その他にも反省すべき点が多くありました。
今後の運用に活かしていきたいと思っています。
もう今から来年の日本選手権が楽しみです。