みちのくオープン 大会所感
Update:2007/10/03
文:TD 横田一平
9月29日(土)30日(日)、岩手県北上市北上総合運動公園特設コースにおいて、第2回みちのくオープンディスクゴルフトーナメントJPDGA公式戦第15戦が、プロ20名アマ28名を迎え、(株)ヒーローの提携・協賛で開催された。
東北地方においては南相馬OP(福島)、東北OP(秋田)に続き3つ目の公式戦が誕生したことになる。北上総合運動公園は、1999年岩手インターハイの主会場として整備され、白鳥飛来地として有名な大堤公園を中心に、陸上競技場、芝生運動場、体育館が集中しており、隣接する県立北上湘南高校には見事な松林と広大な牧草地がある。
今回の特設コースは北上市と北上湘南高校の絶大なるご理解とご支援の下に実現したものである。
コースは18ホール(パー=56)、プロ1701メートル(平均94,5m)、アマ1569メートル(平均87,2m)であるが、最長の#9(220mと150m)を除けば、平均はそれぞれ87,1mと83,4mであり、特別長いわけではない。しかしプレーヤーにはタフなコースという印象を与えたようだ。
コース設計の際留意したことは①地形や環境を生かし、極力人為的な設定はしない②フルショットを存分に楽しむ③攻略法を考えてもらう④レフティーにも公平に⑤クォリティを高める 以上5点であった。
バスケット周囲への10mサークルの設置や、ヒーローグッズによる飾りつけはローカル大会としてはクォリティアップのための新しい試みといえると思う。
また、岩手県という遠隔地に足を運んでいただくアマチュアプレーヤーにも存分に楽しんでいただくため、プロ、アマとも2日間大会とし、極力ティを共有したり、飛距離の出ないプレーヤーにもアイランドホールを楽しむことができるよう変則ツインアイランドとするなどの工夫もしたつもりである。
プロ部門オープンは、白井一夫、ジョン・エイハートのベテランと松田英明をはじめとする勢いのある若手勢の対決の構図。
決勝はリードする白井一夫と一打差で追うジョンの一騎打ちとなった。プレーヤーを翻弄する15番ホール(通称ビーチ)で共にボギーを喫しタイとなって迎えた最終18番ホール。それぞれ置きに行ったティショットであったが、白井のショットはタイトになったアイランドをわずかにはずし痛恨のOB。最後までプレッシャーをかけ続けた白井であったが、パーで切り抜けたジョンが逆転勝ちを納めた。また惜しくも決勝進出を逃したが、迎田文雄の安定したプレーが光った。
佐藤幸子、稲見直子、大滝和枝の3選手によって争われたレディスは、1ラウンド目でリードした佐藤幸子が徐々にその差を広げ、追う稲見直子を振り切った。
マスターは、全てのラウンドでクラスのトップスコアを叩き出した六本木孝道が圧勝した。トータル207は全クラスにおいてもベストスコアである。オープンの白井と共に、卓越した読みと戦略、そしてそれを実現するショットの精度は驚異的である。2位争いを演じた坂井、大滝そして吉村の各選手はホール間の移動の姿、ルーティン、リアクションなどそれぞれ個性的なスタイルで楽しませてくれる。まさに「マスターズ万歳!」である。
アマチュア部門も各クラスで熱戦が展開された。
アドバンスは、大島竜也が同じひたちの塩原に10打差をつけて圧勝。この岩手の地においても大島の明るい声が響いたのは言うまでもない。江馬と公式戦初出場の岩手のWATA の3位争いも面白かった。最終ホールでWATAがバーディとするも、江馬が一打差で逃げ切った。
アドバンスレディスは若手とベテランが入り混じり和気藹々のうちにゲームが進行したが、渡邉聡美が終始安定したスコアで勝利した。愛知の伊藤がベテランらしい堅実なプレーで2位。3位には東京の青木に1打差をつけた福島の西村久美子が入った。
グランドマスターは現時点でのランキング1位から4位までが顔を揃える直接対決の舞台となった。守本幸隆が白井芳一を振り切り勝利した。結果的に3位に五十嵐、4位に伊藤というランキング通りの順位となった。
シニアグランドマスターは、秋田の高野貞雄の圧勝。212のスコアはアドバンスでも上位に食い込むものである。70歳をとうに越えたこのプレーヤーの底力は計り知れない。原田、斎藤、永野ら東北勢のこのクラス、今後高野にどこまで迫れるのか興味深い。
ジュニアU13は、大きくリードした青木雅樹の圧勝かと思われたが、横田健次郎が逆転勝利した。この2人はアマワールドダブルス3位のコンビであり、地元北上の黒渕修平も交えてジュニアらしいはつらつとしたプレーを見せた。青木雅樹は持ち前の飛距離に加えアプローチ、パッとにうまさが加わった。横田の3ラウンド目のスコア60はこのラウンド全アマ中3番目に相当する好スコアであった。
何しろ公式戦に出るのも見るのも初めてという岩手のスタッフの手による大会運営であり、至らぬところも多々あったかと思いますが、ご参加いただいたプレーヤーに励まされ、(株)ヒーローに支えられ、無事終了できたことをうれしく思います。皆さんにより楽しんでいただけるようなみちのくOPにしていきたいと思いますので、これからもご支援をお願いいたします。