髙野(PSL)ワールドで世界制覇へ!!!
~白井(PSGM)ナショナルツアーで優勝!~
2014年の世界選手権が8月12日から16日にかけて、米国オレゴン州ポートランドで開催されました。
日本からは、梶山選手(PO)私(PSGM)関口選手(PSGML)それに秋田の怪物、髙野選手(PSL)が参戦しました。サポーターを含め5人での遠征となりました。
今回、私たちは7/29に日本を立ち、ワールドの2週間前(8/1-3)に行われるNT大会にも申し込みをしました。場所は、ワールド開催場所から北に220Kmのシアトル近郊のタコマというところで、大会名はFort Steilacoom Openです。
今回は、全てモーテル使用で、環境での心配はありましたが、全く問題なく、快適なアメリカ生活を楽しむ事が出来ました。
Fort Steilacoom Openでは、
POに、ワールドでの上位陣がほとんど参戦、梶山選手も望むところです。SGMは、ワールドの準決勝に名を連ねる選手が、何名か出てきました。
ナショナルツアー(NT)だけあって、プロショップ、テントのデコレーションもなかなかしっかりしています。3日間で4ラウンド+決勝(POのみ)のスケジュールで行われます。
天候は、無風快晴の日が続き、朝晩は14~5℃、日中は、23~5℃で、快適な条件下でのラウンドが続きました。
本大会の方は、ディスクのウエイト調整が不十分な梶山選手が、スコアが伸びず苦戦、関口選手は、練習の成果か、70~75のスコアで健闘、1人の参加でしたが優勝。髙野選手は、4ラウンドの内3ラウンドが60台の好スコアで(PSGM)7位に食い込みました。
私は、前半のリードを守りきり、昨年の公式戦に続いて、アメリカで2勝目をマークしました。
一試合が終わり、明日は、いよいよワールドの行われるポートランドに移動です。
移動日当日です。当然のことながら、午後は、ワールドのコースを2つ回る計画です。
今回は、タコマからポートランドまで220kmと近いため、AM10時に出発、途中休憩を取って、現地入りです。
まず、タコマから約180kmにある、TrojanDGコースに向かいました。このコースは、POとPMのみが使用するコースで、ほとんどのゴールが、池から15m以内に設置されている、高難易度のコースです。
続いて、全員がラウンドする予定の、Pier Park DGコースに行きました。ここは、オフィシャルホテルから10km程度の森の中のコースです。森の中といっても、下枝は良く手入れされていて、雑草もほとんどなく、ディスクが無くなる心配のないファミリーコース(??Av106m)です。しかし、アップダウンが結構激しく、コースもタイトなだけに、スコアは伸びません。このコースだけは、日中でも18~20℃で涼しく、夕方になると、仕事帰りの利用者もいるのか、賑わいを見せていました。サマータイムの関係で、午後8時位までは、ラウンドを楽しむ事が出来ます。
ここは、パーが54、イーブンパーで回ると960位のレイティングがあるコースです。
さて練習2日目は、車で3~40分のMilo Mciver State ParkDGコースです。
EastとWest、2コースがあり、どちらもロング145m、ショート125m程度のAvがあります。パーは58~61と難しいコースです。(梶山選手はロング、他3人はショート)
森の中のコースで、アップダウンがあります。ただ、コースは整備されていて、狙ったところに置ければ、特に問題はありません。しかし、ほとんどのホールは、ゴールが見えませんので、初めのラウンドは、ゴールの位置確認が不可欠です。基本技術が試されるコースです。
練習3日目、今日は、決勝の行われる、Blue lake DGコースと、今回のメンバーでは私だけが回ることになる、Mccormick DGコースに行きます。
これを回ると、今回使われるコースは、すべて回ることになります。試合までに、各コース3ラウンドほどの練習が目標です。
Blue lakeは、決勝とPOで使うコースです。ロングは、Av165mパー68、シニア以上レディスの使うショートは、Av130mパー62です。
このコースの障害物は、両サイドにあるOBラインです。ゴールは、頑張れば確認できますが、遠すぎて、見つけるのが難しい所も多くあります。風が吹くと、OBの山が記録されるに違いありません。ここは、時間がかかりそうです。5時間以上かかることも考えられます。軽く口に入れるものも必要です。
このコースには、1つ楽しみがあります。OBエリアには、ブラックベリーが、食べごろを迎えています。投げ込むと、棘が厄介ですが、食べるととても美味で、止まらなくなります。
空腹は、これで問題なし?です。
もう1つのコースですが、距離はAv105mほどですが、樹が多く、関東オープンの林間が連続して、アップダウンと左右の曲りがあると思えば間違いないでしょう。置きに行くのですが、何回回ってもアンダーでは回れませんでした。(パー62)
今日(8/11Mon)は、大会前日のオープニングセレモニーです。Blue lakeのメイン会場にある、大テントで行われました。初めに、各国の旗が入場します。日本旗は、梶山選手がしっかり握っての入場です。
さて、この1週間、半日の休養を入れて、じっくり調整してきましたが、本番はどうでしょうか。明日(8/12)からの本戦が楽しみです。
World初日です。
8/12梶山選手は、Milo-EとMilo-Wを回り、9:00と14:00スタートです。私たちを送り届け、現地に向かいました。他の3選手は、Blue Lake-Sで、Tee Timeスタートです。私が10時台、関口、髙野両選手は12時台のスタートです。行きは、車での会話も少なめで、程よい緊張感が漂います。
ここからは、優勝が期待される、髙野、関口選手中心でお伝えしましょう。
髙野選手は、練習通りのスコア(80)で、トップと1差の2位。この差をキープして、抜くときは一気に行きたいところです。関口選手は、OBに悩まされ85、トップと6差の3位。
私は、-1で纏めたものの、トップと7差の6位、梶山選手は、初日2ラウンドを、-7で30位前後の好位置につけています。
8/13今日は、私と、髙野、関口選手、それに梶山選手とラウンド場所が違います。私のみショットガンスタートの2ラウンドです。私の時間に合わせ、梶山選手大奮闘の一日です。
髙野、関口選手は、順位、差こそ変わらなかったものの、初日と同じコースで5打も良くなる健闘を見せています。私は、林間に嫌われ、練習通りのスコアながら、8位に後退。梶山選手は、順位こそ変わりませんが、池周りのTrojanを-4で纏めました。20位まで、5差以内に20人近くが犇めく混戦です。
8/14今日は、スタート時間が同じで、3コースに分かれる、梶山選手にとっては、一番過酷な1日です。9時スタートに間に合うように、5時過ぎに宿泊所をスタートしました。
髙野選手が、林間コースのPierで爆発しました。70を切るのがやっとだった練習とは打って変って、なんと64。1位にいたJerry選手が68でしたので、一気に逆転、首位に立ちました。
関口選手は、1ラウンドを除いて、なかなかいい勝負をしています。1ラウンド目の差が重くのしかかります。私は、練習でもアンダーパーで回れなかったMccormickで-4を出し、一気に5位浮上、4位と2差まで来ました。4位は、ビッグネームのDavid Greenwell選手です。梶山選手は、初日に回ったコースMiloのWestとEastです。初日の経験を生かし、今日だけで、12のアンダーを積み重ね、トータル-23まで来ました。レイティングも1020~1030で安定しています。何処かで一回爆発すると、20位以内も可能な位置です。
夜、オフィシャルホテルでAwardsがあり、思いがけなく、私が、2013年Senior Player Of The Yearを頂きました。ポイントランキングよりもうれしい賞でした。
8/15関口、私、梶山の各選手は、今日で、準決勝に進出できるかどうかが決まります。
髙野選手は、今日で、決勝進出が決まります。このクラスは、決勝が2名ですので、5差の中に3人が犇めく、気の抜けないラウンドになります。梶山選手は、Blue Lake。私は、MiloのEastとWest、髙野、関口選手は、MiloのWestです。
髙野選手は、順調にベストスコア70をマークしてトップで決勝へ、2位には、3位から逆転したCarlos選手が、同じ70を記録して浮上(5差)。この2人の決勝になりました。関口選手は、トップとの差を3つ詰めて、9差とし、明日の準決勝に進みます。
私は、順位は変わりませんが、5ラウンドを終わって1差としたものの、David選手が6ラウンド目にレイティング1034の-8を記録、一気に離されました。しかし、4位Randy選手とは、5差、明日の準決勝は攻めてみます。梶山選手は、初のBlue Lake、今日か明日、50台が出ると、一気に20番以内に食い込むチャンスです。しかし、今日は、-6の62。明日に期待がかかります。
8/16早いもので、もう最終日です。関口選手は、一気の追い上げを見せたものの、トップと3差の3位に終わり、決勝進出はなりませんでした。初日の6差が、最後まで響きました。私は、2つ詰めたものの、3打足りず5位。梶山選手は、攻めが裏目に出て、-1。34位に順位を落としましたが、忙しいスケジュールの中、大健闘でした。
驚いたことに、日本チーム全員が賞金を獲得するという、快挙を達成しました。
そして、午後は、髙野選手の決勝です。
決勝は。Tee Timeで行われますが、先陣を切って、髙野さんの出番です。場所は、Blue lakeで、決勝は全てロングコースで行われます。決勝のAvは、なんと176mです。飛距離の出るCarlos選手にやや有利な展開です。
日本選手団も含め、皆の見守る中、スタートしました。名前がコールされTeeショットです。
1番137m、樹木の枝が、地上5m辺りまで下がって、低めのショットが要求されます。髙野選手、ショットは良かったものの、やや緊張気味なのか、パットにいつもの冴えが見られず5。Carlos選手はローラーを巧みに使って4。
2番、128m、オープンなコースで、右サイドにマンダトリーがあります。髙野選手、ショットが抜けて、左サイドにOBで6。Carlos選手は、準決勝の勢いそのままに、安定した内容で4。
僅か2ホールで、2差まで詰め寄られる悪いパターンです。続く3、4番。引き離すチャンスがあったものの、パットが決まらず、2差のまま。
5番ホールは、282m。相手に有利なロングホール。ゴール手前にOBの川があり、ゴールは川越直ぐの位置で、4mほどの築山の上です。5投を終わって、Carlos選手ゴールまで2m。髙野選手は、飛距離のハンディをものともせず、巧みなアプローチで、投げ上げ6m。これを外すと、間違いなく、同じ距離以上に転がるパターンです。
終わってから聞いた話ですが、高野選手は、スコアも全て解っていたとのこと。そこで、何のためらいもなく狙いに行くアグレッシブさは、さすがです。
しかし、無情にもゴールに嫌われたディスクは、坂下7mに。外せば追いつかれる大事なパット。いつもより、やや時間をかけた1投は、今までのパットが嘘のように、ど真ん中からチェーンを捕えました。このホール、差が縮んだことより、リードのまま終えたパットに、再び髙野選手の自信が蘇った瞬間でした。
以後も、パットの切れは十分とは言えなかったものの、最終ホールまでのショット全てが、ほぼ完璧な軌跡を描いたことで、自信の復活が伺えます。その反面、5番で追いつける可能性のあったCarlos選手の動揺は、大きなものでした。
その動揺は、後半の3ホールで2つのOBを出したことでも、推し測る事が出来きます。
自身の勇気で、流れを変えた1つのパット。決勝9Hが、このパットに、全て集約されていたと言っても過言ではありません。
そうそう、忘れていました。髙野さんは、80歳以上でエントリーしましたが、参加者が居なかったため、75歳以上のクラスに参加でした。
そんなハンディをものともせず、世界一になった髙野選手。見事です。
秋田の怪物が、世界に羽ばたいた今回のWorldでした。
秋田県DG協会特別プロジェクトの、悲願達成おめでとうございます。
3週間の長期遠征でしたが、終わって見ると、アッという間の23日間でした。
少し長期な遠征を企画して、今年で2年目です。今後もこの企画が実施できるように、頑張って行きたいと考えています。
最後になりましたが、出場に当たり、様々なサポートをして頂いたJPDGA、いつも練習に付き合ってくれる辰巳の森の皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
(白井一夫2014.9.3)