8月17日、18日の両日、プロ部門48名、アマ部門39名、計87名の参加を得て第8回みちのくOPが、岩手県北上総合運動公園特設コースで開催された。
パー61にアレンジされた今年のコースは、距離よりもセカンドショット以降を考えさせるテクニカルなホールが多く設定された。
大会終えた今、上位入賞者の顔ぶれを見ると、ティーショットアドバンテージや運・不運を超越した、総合力に長けた実力者が揃っている。白井一夫、川崎篤人、江原隆夫、佐藤幸子、柿本千枝子、高野貞雄。そして六本木さんお帰りなさい。
さあ、それではみちのく恒例の「スタッフ・リポート」をどうぞ。駄文・長文は平にご容赦。
【アマ部門】
毎回優勝者が異なるアドバンス。今季メジャー2勝している柴原(栃木)、東京OPを制した山口(栃木)、勢いのある加藤(北海道)、実力者の塩原(茨城)、下宮(東京)など有力選手が顔をそろえる中、前半リードした山口が、猛烈に追い上げる塩原を振り切って優勝。3位には田辺(愛媛)が入った。
アドバンスレディースは、今季メジャー4勝を挙げ向かうところ敵なしの関口(茨城)が食い下がる前田(東京)を押さえ優勝。3位争いは古谷(栃木)が同じく栃木の山口に競り勝った。
マスターは、新進気鋭の伊東(岩手)が北海道OPに続いて2勝目を挙げた。2位にはベテラン原田(秋田)、3位には公式戦初出場の阿部(岩手)が入った。
第3回以来、目下5連覇中の白井芳一(福島)の6連覇が注目されたグランドマスター。それを阻止したのは菊池(岩手)。前半5打リードし6連覇が見えてきた白井を、3ラウンド目に逆転して1打のリードを守り切った菊池のうれしい“地元”みちのくOP初勝利。3位には打矢(秋田)、4位には高橋(岩手)が入った。
関東以北の実力者が顔をそろえたシニアグランドマスターは、“超人”高野(秋田)が4連覇を果たした。展開は熾烈を極め、リードする斎藤(岩手)、山田(茨城)、眞坂(秋田)を3ラウンド目にアマ全部門で唯一のアンダーパーを記録した高野が逆転し、終わってみれば1位から4位まで僅か4差。2位眞坂、3位斎藤、4位山田で決着がついた。
シニアグランドマスターレディースは、関東OPを制している神浦(茨城)の圧勝。2位には緒方(茨城)、3位には内堀(茨城)が入った。
【横田一平】
【プロ部門】
オープンは、前週アメリカ・インディアナ州クラウンポイントで開催された「PDGAプロ世界選手権」で、シニアグランドマスター4位(アジア人トップ)の好成績をあげた白井一夫(東京)が、凱旋参戦で「みちのくOP 4連覇」なるか!?と、福井OP優勝、北海道OP、関東OP 準優勝、阿蘇OP優勝と調子を上げてきている今期ランキング首位の「T2」菊地(東京)が阿蘇OPに続く連勝を決めるのか?!が注目を集める中、国内トッププロ17名の出場により、最強プロが犇き合う国内最高峰レベルの戦いが繰り広げられた。決勝ラウンドには、白井、松田(栃木)、T2菊地、大滝陽平(秋田)の4名が進出。多くのギャラリーが見守る中、14番名物ホール「ビーチ」からスタートの6ホール(パー22)決戦となった。2位の松田に8投差で首位を走る白井は、終始安定したプレーでパーセーブ。松田は4バーディーで猛追するも惜しくも届かず、見事、白井が4連覇を達成した。3位はT2菊地、4位は大滝。決勝ラウンドでの順位の入れ替りはなかったものの、驚異的なロングスロー、正確無比なアプローチショット、集中力を高めたロングパットなど、それぞれのテクニックが各ホールで展開され、大勢のギャラリーを魅了した。
【伊東格】
レディースは、決勝が始まった時点で佐藤選手(東京)の優勝は確実だった。佐藤選手は、予選3R全てを部門トップスコアで回り、2位と16差で決勝を迎えた。2位の稲見選手(東京)と3位の本田選手(東京)の差は5打あったが、本田選手が見事な追い上げを見せた。5ホールを回った時点で逆転1打差。最終18番。本田選手は、1投目をOB手前に置き、集中してアプローチをするところだったが、若干伸びてしまい8メートルほどの距離を残してしまう。一方で、ゴールそばに寄せた稲見選手はパー。外すと2位タイとなってしまう大事な本田選手のパーパットは、いつもの練習の成果か、まっすぐにチェーンへ。誰もが納得のナイスパットで順位が決まった。1位は、大量リードで終始余裕の佐藤選手。見事に3連覇を達成した。2位は見事な逆転で本田選手。3位は惜しくも稲見選手。4位は木宮選手(東京)となった。
【黒渕修平】
「藤井選手の4連覇を川崎選手が阻むか…、新たな主役が出てくるか」が見所のマスターだったが、終わってみれば、川崎選手(東京)の圧勝であった。川崎選手は、予選から全てのラウンドでクラストップのスコアで回り、他の選手を大きく引き離すと、全体でも3位に相当する素晴らしい成績で優勝した。2位争いは藤井選手(埼玉)と平林選手(東京)の競り合いとなった。平林選手は、決勝2ホール目で藤井選手との4差をあっさり逆転し、本来の力を出せずに苦しむ藤井選手を抑えて2位。連覇を逃した藤井選手が3位。4位には今季決勝常連の黒田選手(栃木)が入った。【黒渕正人】
マスターレディースは、エントリーした全7名の中から、柿本(山形)、佐藤(栃木)大滝(秋田)、金子(東京)の4名が決勝ラウンドに進出した。準決勝終了時点で、柿本と佐藤が同点首位となっており、3位大滝と4位金子の差も僅かに2投差で、一瞬も気を抜けない状況。スタートは#14(ビーチ)だったが、佐藤が一歩出遅れた感じとなり、最終的にこのビーチでのスコアが優勝を決定づけるものとなった。その後の#8、#9、#16、#17、#18は、一進一退の攻防戦となったが、終始にわたり、ブランクを感じさせない安定感を保つことができた柿本が、佐藤を1投差でかわし見事優勝。2位は佐藤、3位大滝、4位金子という結果で終わる。マスターレディースのスローの華麗さ、アプローチの正確さ、土壇場での勝負強さ、本当に素晴らしいプレーばかりだった。
【伊東礼子】
今回もにぎやかな6人決勝となったグランドマスターは、江原(東京)が粘る金子(東京)を振り切って優勝。3位には大島が入った。同率4位でスタートした大滝(秋田)、櫻井(栃木)、阿久津(栃木)。3者とも決勝の緊張感からか(横田注:たぶん疲労でしょう!)調子に乗れなかったが、中盤から終盤に確実なショットで試合を進めた大滝が見事に単独4位を物にした。櫻井は意地のショットを見せたが終盤で力尽きた。
【高木久也】
シニアグランドマスターは、六本木(栃木)、五味渕(栃木)、佐藤(栃木)の3選手で行われた。予選からダントツの強さを見せ付けた六本木がブランクを感じさせないプレーで、終始他を圧倒し、決勝も一人イーブンパーで上がり優勝した。2位に五味渕、3位には佐藤が入った
【菊池茂樹】