Nate Dossが首位を譲らず圧勝(オープン)、レディスは10代のPaige Pierceが決勝でValarie Jenkinsを振り切り優勝。
~マスターは、JonathanBaldwin、GマスターはJim Oates、SGマスターは、J Michael Barry
が優勝・日本勢は、菊地がオープン107位タイ、迎田がマスターで99位、SGマスターの白井は、2回目の決勝進出を果たし4位~
2011年ディスクゴルフ世界選手権が、8/9-13アメリカのサンタ クルーズでその幕を切って落とした。
プロ部門のみの大会に、400名を超える選手が参加した。
世界のトップが参集する、この素晴らしい大会参加に、サポート頂いたJPDGAに感謝したい。
さて、公開練習の土~月曜日は、曇天の好コンディションだったが、試合当日は、5日間とも風が強く、難コースを余計難しくした。ティーショットを除くと、平らな下地は皆無、乾燥した砂地が足場の悪さに拍車を掛けた。特にコース・デラビエガでは、岩がむき出しになるところが多く、ディスクは、10~15mは滑って行く。またこのコースは、ゴールの奥5~8mが急激な斜面になっているところが多くOBが少ない。
今回は最長393mのコースが用意されていた。幅25mのコースは、欲を出すとOBの餌食になる。また、160mを越えるコースにもかかわらず幅4mで左斜面、右が池のコースもあり、苦戦は必死。おまけに、1ラウンドに練習でも4時間、試合では5時間以上が普通である。
では、長い長い一週間を簡単に報告することにしよう。
8/5・アメリカ、サンフランシスコに到着。夜は大リーグを見ることにしていたため、近くのゴールデン ゲート公園の中にあるコースを1ラウンドした。70~130mくらいのコース18ホールは、地元選手もいて、なかなか楽しいラウンドが出来た。
夜の大リーグは、バリーボンズ選手が、ホームランの記録を作ったときの球場で行われ、ジャイアンツVSフィリーズ。ホームラン4本、乱闘がありで、本場の野球を満喫した。
8/6・いよいよ本番のコースを回る。
今日はRyan RanchとThe Oaksを回ることにした。Ryan Ranch(Par85)は、ほとんど砂漠、その中にそれほど大きくない樹木が配置されている。ここでは、この樹木が曲者だ。日本のヒイラギを大きくしたような枝振りで、ダイレクトで投げ込むと、かなりの確立で木に乗ってしまう。言い忘れたが、今回は、2m以上の高さに停止したらOBが適用となる。低めのストレートが要求される場面が多い。50m投げ下げ、20m投げ上げなど山岳コースを回る感じだ。
飛距離の出る選手には、一番スコアが出やすいコースかも知れない。
The Oaks(Par86)は、ほとんどのバスケットが、teeから見えないレイアウト。そして、丁度100mの位置辺りに曲者の樹木が密生している。狙ったところに置くことが出来ないと、100以上のスコアも簡単に出てしまう。
今回は、予選4日は全て27ホール、各コース1回づつを回る。その中で、明日回ることにしているDelaveagaとPinto Lakeはtee timeスタートで行われる。
そして、Pinto Lakeには393mのコースと幅4mで160mを超える2ホールが配置されている。今回唯一アベレージが100mを切るDelaveagaは、岩と断崖と林間のストレートを要求される最も難しいコースになっている。
今日は、のんびり始めたせいか、2コースを終わったら午後8時を回っていた。
当初、各コースを2ラウンドしようと言う話になっていたが、初日のラウンド時間を見て、早くも断念することになった。
8/7・Delaveaga(Par81)、面倒だから取り合えず全部Par3にしたといった感じ。+3~+4で回ればレイティング1000を越えそうなコース。岩が多く、寄せの距離感が難しい。10m~15m手前に着地するように投げてぴったりの感じだ。薄いディスクを使えば、どこまでもスキップする。ゴール奥は急斜面が多く、ついショートしてパットを置く感じになってしまう。オープンで軽い投げ下げ127mなんてコースもあるが、ゴールの奥5mが道路のOB、右4mがクボ地になっていてOBラインがあった。
集中力が掛けた時点で、全てが終わってしまう感じだろうか。
午後はPinto Lake。オープンなコースは90m程のアプローチの距離感、タイトなコースでは、ストレートの正確性が要求される。そんなコースが丁度半々に点在する。今回一番難しいPar89。下見では、まずディスクを無くさないように細心の注意を払って投げることにした。
午後バリー シュルツが、後ろから練習に回ってきた。丁度、幅4m168m投げ上げのコースで一緒になったので、先に行ってもらうことにした。幅4mの空間を軽いS字ラインを描いて真ん中に着地。120mショット。距離は別にしても10回投げて1回可能かどうかのショットを・・・言葉も出ない。世界トップ10に名前を連ねる実力を垣間見た思いだ。
8/8・忘れ物を取りにいく必要からRyan RanchとPinto Lakeを時間が来るまで(プレイヤーズミーティング18:30)回ることにした。午前中のRyan Ranchで今回の練習で、はじめてアンダーパーを記録。
菊地選手81(-4)私84(-1)迎田選手も初の100切りで99を記録した。
それぞれの当面の目標は、菊地選手、2ラウンド終了時点でAプールに残る(108位)と準決勝進出。迎田選手、各コース100切り。私は、準決勝進出を目指して、さあ、明日からの本番が楽しみだ。
夜のプレーヤーズミーティングで、2010年各デビジョン別ポイントランキングトップの表彰があった。幸いなことに私は、SGマスター部門で2年連続の表彰を受けた。
8/9・今日は、迎田さんがtee timeのスタートで、最難間のPinto Lakeに挑む。
菊地さんがThe Oaks、私がRyan Ranchで10時いっせいにショットガンスタートを切る。これからは、オープン、マスターは各人のレポートに譲ることとして、私の戦いを振り返ることにする。
このコースでは、練習時に4~5個のバーディーが可能であったが、最初の9Hで1個。しかしショットのミスもなく、前半を終わった時点で3アンダーパー。いい感じで20番Hまで来た。しかし、ここでのティーショットを思いっきり右に引っ掛けた。力みと、脇があく癖が出た。この1投で、綺麗にラインを作って投げ出せていたショットが、握りさえもわからない状態に陥った。幸い60m前後のアプローチは、いい状態だったので4でこらえるホールが続いた。中盤まで私をリードする勢いのGregg選手も後半、イージーミスが出るようになり後退。疲れによる集中力の衰退がこんな状態を作り出しているのかもしれない。終わったのは午後3時近く。5時間あまりを費やしたことになる。
初日は結局+2、結果は、Rick選手に1差の3位タイ。トップはサイドスローに驚くほどの冴えを見せるJ Michael選手が2位に7差をつけて独走する様相になった。
8/10・今日は、Pinto Lakeのtee timeに挑む。しかし、スタートが11:40。ほかの日本勢は10:00スタートとなり、7:30からコースに張り付くこととなった。
8:00まで軽くアップ。8:00に最初のパーティーがスタートする。1番teeに行ってみると韓国のKimさん(Gマスター)がスタートするところだった。写真を取りながら付く事にする。
2年前に、始めて会ったときと比べると兆速の進歩だ。16番ホールまで付いて、スタート付近に戻り待機した。
予定通り11:40スタート。じっくりコースを見た後のスタートだけに、落ち着いてスタートが切れた。ここの課題は低めのストレート。10m左右にずれるだけで、アプローチがまったく出来なくなるようなコースが多い。今日は、15~20mパットが3つ入ったのが大きくまずまず納得のラウンドで、イーブンパー。トータル+2。Rick選手と3差の3位。4位とは5差。
8/11・今回初めてのトップグループだ。J Michael選手、Rick選手、4位はDave選手。
The Oaks(Par86)、このコースは、110~120mのやや上りのコースが多く、私には鬼門のコースだ。J Michael選手は、余裕の距離。Rick選手、Dave選手は10mエリア内のパットが残る。
私は、確実に20~30mのアプローチになる。何とか喰らい付かなければの思いむなしく、4位と1差まで追い上げられた。2位とは9差に離れた。明日の難コース、Delaveaga(Par81)の出来次第では、一気に準決漏れの可能性も出る。頑張ろう。
8/12・Delaveaga(Par81)昨日と同じメンバー。1H目、2投目がゴール横の木に当たって転がったのが4の始まりで、なんとスタートから5連続ボギーにしてしまった。4位のDave選手とタイとなってしまった。9番ホールからタイトなコースが続くが、11番までで
4位のDave選手との差を何とか4に広げた。11番ホール、変な体制でサイドスローを行ったDave選手、悪かった腰痛が再発、ここでギブアップ。私は、前半のボギー数が響いてか、5位で3差にいたM Snap選手に追いつかれた。
しかし、何とか準決勝はクリアした。M Snap選手は、2年前のワールドでもトップグループで回った選手だ。テイクバックも小さく、切れも良い。手本にしたい選手だ。
8/13AM準決勝8名が進出・Delaveaga・OB、転がることが何度かあったが、悪いラウンドではなかったと思っていたが、18Hでなんと66。+12はさすがに落ち込む。決勝は半ば諦め状態か?しかし、難しいホールをピックアップしたせいか、周りも伸びず、何とか決勝に滑り込めた。3位M Snap選手とは、4差となった。
8/14PM決勝4名・Pinto Lake(常設3ホール・特設6ホール)ここからは、3位M Snap選手との攻防となる。1番ホール私のみ3で、2番からは最初に投げることに。3位と3差。
2番から迎田さんが応援に。11mブラインドのパットを決めてバーディー。何度経験しても、決勝の歓声は気持ちがいい。3番から菊地選手がキャディーに来てくれて楽になった分、集中力が増す。7番ホール、94m。高さ2.5mの枝が続く。私は会心のショットで5m。M Snap選手は寄り切らず11m。これを外して2差。8番165mオープンコース。2投目勝負。私は70m弱のアプローチを50cmに、M Snap選手7m。やっと緊張するところまで来た。菊地選手が「あれはしびれるパットだよ」と一言。上に外して1差。
最終ホールまでしびれる試合が出来たが、結果は、私が最後ボギーであっけなく決着がついた。気が付いたら2番ホールからずーと先頭で投げていた。決勝のレイティング1025は凄い。
と、自分を褒めたところで、試合経過は終わりです。
この後、オープンの決勝を見ることが出来た。Nate 選手が2mの高さで140mベタピンショット。15mはなれた木の根元から、見事なパットを見せたNikko選手。
練習でBarry選手のショットに唖然としたが、オープンの上位陣では、ごく自然なショットなのかもしれない。次元の違うショットに酔いしれた一時だった。
写真を沢山撮ってきたので、ぜひ楽しんで下さい。
最後になりましたが、辰巳でいつも練習に付き合ってくれる皆さんに感謝して、2011世界選手権の報告としたい。
(文責:2011.8.21辰巳の森DGC 白井)