今回で13回目の開催となった中四国オープン。10月23日24日の両日、岡山県新見市大佐の「風の聖域」特設コースで行われた。
競技はプロ部門18名(72H)、アマ部門65名(27H)の参加で行われた。天候は初日が曇り時々晴れ、ほぼ無風。二日目は雨とやや強い風の中での開催となった。
<コース>
例年サウスポー不利というのが中四国オープンの傾向であったが、今回のコースは逆にサウスポー有利なレイストを考えてのデザインとした。
また中四国オープンでは珍しくマンダトリを採用し、ティースローの正確性を期待するホールを中心に設定した。
<プロ部門>
[1R]
オープンではTOP4が5バーディで、まず3アンダーと飛び出したのが若手・高知の大石大。つづき地元の家元、東京の福田がー1で続き、優勝候補の梶山能は3オービーと出遅れた。
マスターは高山のみアンダー(1)、それをカナダからの参加Strohan、吉岡、大石父が追う展開となった。
レデイスは野中とベテラン塚本が同スコアで並んだ。
[2R]
ベストスコアをマスターの高山が取った午後のラウンド。サウスポーの梶山と吉岡がともに2アンダーと追い上げる中、オープントップの大石大は4オーバーと崩れ、追い上げた梶山に並ばれた。
レディス塚本が5バーディと集中力を見せ、野中に5打差をつけて初日を終えた。
[3R]
9ホールということで大きな変化はないと予想されたが、オープンの大石大が奮起4アンダーを出すも、梶山も2アンダーと手堅く、勝負は準決勝に持ち越された。
マスターは息子の活躍に触発された大石父が2アンダー3位に上がり、レディス野中は3ボギー1ダブルBと崩れ、塚本との差が開いた。
[準決勝]
雨の中の18ホール。オープン梶山が10アンダーと圧倒的なスコアをたたき出し、勝利をほぼ決定付けた。大石は2OBと±0。三笠が手堅くー2と健闘し決勝切符を手にした。
マスター高山は5ボギー2WBと大叩きするが、吉岡も4ボギー1トリプルと付き合ってしまい、高山連覇の可能性が大きくなった。
レディスは野中が4バーディと猛追を見せ、塚本も4ボギーをスコアを落とし1打差となり勝負の行方は決勝へ持ち越された。
[決勝]
オープン、マスターとも実力者同士、梶山と高山が逃げ切る形となった。
特筆すべきはレディス野中の3番投げ下ろし。野中のティースローは、糸を引くようにまっすぐゴールに向かい、長い眼の覚めるようなエースとなった。
しかし、池越え6番で、手前の木に当て、Wボギー。塚本に逃げ切られた。
<アマ部門>
高齢者の多い中四国オープンであり、雨の中の27ホールと条件はよくなく、予想を1時間以上オーバーする長い競技時間となった。
アドバンスでは、野中が2アンダー1オーバーと、アマの中でただ一人アンダーパーを出し、初優勝。続いて千葉とタイラーが同点2位。
そのほか目だったのは、シニアグランドマスターの高野とレジェンドの柏木だ。高野は長くアドバンス出場だったが、今回はSGMとしてエントリー。
トータル3オーバーは、アドバンス野中につぐスコア。初めての優勝となった。
またレディス中河原も他を寄せ付けなかった。
<総評>
今回のコースの9番マンダトリでは、ほぼ全員がクリアできていたのに驚いたが、逆に上位にあるプレーヤーが、2番池越えの82mでドライバー系を使用して池に落とすという場面がよく見うけられた。
ティーに立つと高性能ドライバーをどう使い分けるか、そのあたりが現在の多くのプレーヤーの志向なのだろう。
ディスクの種類の限られていた時代、プレーヤーにはディスクの性能を引き出す能力と工夫が求められ、個性も豊かだった。
だが、現在の多くの中堅~上位のプレーヤーのなかに、高性能ドライバーに使われているように見受けられるプレーヤーが目につく・・・そんな一抹の寂しさを禁じえなかった。
基本ディスクをしっかり投げきってコントロールするということが、中堅のプレーヤーに求められているように思う。
本年はマツタケの大豊作ということで、全部門の優勝者には大きめのマツタケが副賞として贈られ、とび賞にも6名にマツタケをプレゼントすることができた。