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7月13日~15日、宇都宮市清原3号緑地にて第3回日本シリーズが開催されました。
まず、会場をご提供いただいた宇都宮市、協賛各社、大会の設営・運営に多大なご協力をいただいた栃木県ディスクゴルフ協会に御礼を申し上げます。



今回は全国の選抜大会を勝ち抜いたMA1、FA1選手を含むMPO、FPO部門に新たにMPO50+部門を新設し、総勢72名での熱戦が繰り広げられました。また、台湾から12名、中国からも1名の参加があり、日本在住の米国選手3名も加わって国際色豊かな大会となった感があります。

川崎篤人コースディレクターによる、ボールゴルフを意識したパー71のロングコースは今回も健在。随所で精度の高いスローが求められるホールの連続に、苦心された選手も多かったのではないでしょうか。

また、この時期特有の天候の急変など前回までの経験を踏まえて1日18ホール1ラウンドに設定しましたが、試合進行において概ね問題はなかったように思われます。

梅雨明け前とあって、やはり雨が降ったり止んだりの3日間となりましたが、幸いにも当初懸念していた雷雨には最後まで見舞われず、熱中症に罹った選手も皆無の結果で何よりでした。

(ラウンドレポート)
12日:公式練習日
午前中にコース設営も終わり、13時からの公式練習に選手が集まり出した頃から小雨が降り始めました。近くの小学校の下校時間と重なるため、1、2、8番ホールは終日練習禁止に。LRT(路面電車)が開通したことで宇都宮市内からのアクセスも便利になり、利用された選手も多かったようです。

13日:予選第1ラウンド
ラウンド開始頃から幸いにも梅雨の晴れ間に。猛暑にもならず、ディスクゴルフにはまずまずのコンディション。暑さ対策のため本部脇に設けられた休憩スペースにおける、大会恒例の「かき氷」と「きゅうりの漬物」のサービスもなかなか好評でした。

まず、MPOは梶山学選手が猛ラッシュ。3イーグル、8バーディ、ノーボギーの14アンダー、ラウンドレーティング1066で他を圧倒。2位に高倉大選手、2位タイに台湾の李嘉彬(Chia Pin Lee)選手が3アンダーで追従。レーティング900台後半の好スコアが続出となりました。選抜アマチュア枠で参加したジュニアも、地元の板倉大樹選手がイーブン、西村研杜選手が2オーバーと大健闘。

FPOは台湾の楊素梅(Su Mei Yang )選手が4アンダーでトップに。飯田美仁選手が1投差の3アンダー、佐俣(澤田)和木選手がイーブンで続きます。ジュニアの西村俐乃選手も8オーバーと好位置をキープ。

MPO50+は川崎篤人選手が8アンダー、江原隆夫選手、原孝夫選手が共に6アンダー、浜崎徹選手が5アンダー、以下1投差で数名が続き、早くも混戦を予感させる展開になりました。


14日:予選第2ラウンド
午前中は小雨が降ったり止んだりの繰り返し。昼近くからは雨も上がりましたが、気温があまり上がらず、むしろ肌寒く感じられるほど。急遽、「かき氷」ではなく、温かい「お汁粉」の提供に変更されました。

MPOは梶山学選手が、1ボギーの9アンダーにまとめ早くも独走ゾーンに突入です。坂井祐太郎選手が6アンダーで2位に浮上。伊藤剣大選手、大野雅史選手、三浦奏選手らが追う展開に。

FPOは楊素梅選手が1オーバーと安定したプレーを見せ、首位をキープ。飯田美仁選手が3アンダー、佐俣(澤田)和木選手がイーブンで続きます。初日にやや出遅れた渡部麻里選手が同じく3アンダーをマークして佐俣選手、飯田選手と共に2位タイに浮上。昨年のジャパンオープン優勝者でもある陳佳芳(Chia Fang Chen)選手が虎視眈々と上位を窺う展開となりました。

MPO50+は山本浩隆選手が猛チャージ、7アンダーをマークして首位に躍り出ます。川崎篤人選手がイーブンとスコアを伸ばせず、トータル8アンダーのまま2位に後退、藤井善行選手が4アンダーで3位に浮上。さらに江原隆夫選手、浜崎徹選手、原孝夫選手が追従する団子状態となり、ますます目が離せない展開となりました。

15日:予選第3ラウンド
ラウンドの開始直後から打ち付けるような激しい雨となり、各選手ともスコアメイクに苦労している様相を呈します。MPOでもアンダーをマークした選手は2名のみで、各選手とも猛チャージには及ばなかったようです。

一方、FPOでは楊素梅選手がひとりアンダーをマークして逃げ切り体勢へ。渡部麻里選手が1オーバーで耐え、飯田美仁選手が後退する中、3日間を安定したスコアでまとめた関口成子選手が陳佳芳選手を交わして4位に浮上します。

MPO50+は山本浩隆選手が伸び悩む中、原孝夫選手が4アンダーをマークしてトップに躍り出ます。第2ラウンドでは7位タイだった白井一夫選手も一気に2位まで浮上。藤井善行選手、川崎篤人選手、山本浩隆選手が3位タイとなり、5人決勝が確定します。

この第3ラウンド終了時点で、ローアマチュアのMA1は山口太陽選手(10位タイ)、FA1は赤石春菜選手(7位)に決定しました。

15日:決勝ラウンド

午前中の強かった雨が嘘のように上がり、晴れ間も覗く決勝に相応しい天候に。1番→8番→9番→10番→11番→18番の6ホールを使用してのティータイムでスタート。

MPOは梶山学選手が最後まで独走状態のまま逃げ切って大会3連覇を達成。大勢のギャラリーが見つめる中、1番ホールのイーグルは圧巻でした。2位の坂井祐太郎選手を伊藤剣大選手が2投差、チャドウィック・ミラー選手が5投差で追いかける展開でしたが、追従は叶わず最終的な順位は変わりませんでした。

FPOは楊素梅選手と渡部麻里選手とは8投差。佐俣(澤田)和木選手、関口成子選手が渡部麻里選手を追う展開です。こちらも楊素梅選手が危なげなく逃げ切って優勝。他の選手は残念ながらスコアを伸ばせず、2位以下の順位もそのままとなりました。

MPO50+はトップの原孝夫選手を白井一夫選手が4投差、藤井善行選手、川崎篤人選手、山本浩隆選手の3名が5投差で追う混戦状態に。ホールごとに順位が入れ代わる中、3アンダーの原孝夫選手が優勝。2位に決勝ラウンドをノーボギーの4アンダーで回った藤井善行選手、白井一夫選手に追いついた川崎篤人選手が共に3位タイとなり、山本浩隆選手が5位となる結果となりました。

優勝されたそれぞれの選手には、最終18番ホールのゴール前にて大会記念トロフィーが授与されました。
入賞された選手の皆さん、おめでとうございます。また、参加された全ての選手の皆さん、大変お疲れ様でした。

(雑感)
MPOでは、今回も梶山学選手の圧倒的な強さを見せつけられた大会になりました。清原3号緑地の攻略法にもさらに磨きがかかった感があり、それがこの難コースでのバーディ量産にも繋がっていたように思えます。次回は、梶山学選手を脅かすような若い選手が切磋琢磨するシーンを切に期待したいです。

FPOの楊素梅選手は、台湾のナンバーワン・プレーヤーであるジャッキー・チェン選手の母親でシニア世代。飛距離こそ陳佳芳選手や他の日本人選手に及びませんが、4位になった関口成子選手と同様にディスクのコントロールの正確さは見習いたい点です。

MPO50+優勝の原孝夫選手は、「第19回マスターズ日本選手権」に続いての今季2勝目。今後も群雄割拠するマスター&シニア部門での台風の眼となりそうです。

最後に、大会前のコース内の草刈りやティーの滑り止め対策用のヒマラヤ杉葉の敷き詰め作業をはじめ、雨天の下で1ラウンド4時間近くかかる中、3日間スポッターを務めていただいた栃木県ディスクゴルフ協会とボランティア有志の皆さんに重ねて感謝いたします。

文責:トーナメントディレクター諸岡通容