2007 アマワールド 後編Update:2008/01/08
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この記事は、本年7月にアメリカで行われたアマチュアワールドに参加したチームの遠征記録です。前編では遠征の準備から現地到着までを記述しました。本編(後編)では遠征中の出来事や会場の模様などを断片的にご紹介します。これから海外遠征を望むプレーヤーの為に。 1.本戦直前 1-1 スケジュール (★印はアトラクションなど) 7/21(土) ミルウォーキー市/米国:ウイスコンシン州(開催地)に到着 7/22(日) 大会受付 各コース間のアクセスの確認 ★①フィールドイベンツ MLB観戦 &練習ラウンド 23(月) ★②ジュニアダブルス シティセンター訪問 &練習ラウンド ★③プレーヤーズミーティング 24(火) 予選第1日目 ★④フライマート 25(水) 予選第2日目 ★⑤プロデモンストレーション 26(木) 予選第3日目 ★⑥ピザパーティ&グローダブルス 27(金) 予選第4日目 ★⑦イノーバパーティ 28(土) 決勝 ★⑧表彰式 市内散策 29(日) 現地 出国 30(月) 成田空港(夕刻)到着 1-2 大会受付 受付会場は、我がチームが投宿しているオフィシャルホテルの1室がブースとなっていた。受付け内容は日本と同じ雰囲気ですが、とにかくウエルカムのジェスチャーはひときわ大きく、抱き付かれんばかりの勢い。ブースにはところ狭しとゴルフ商品が置かれている。プレーヤーズキッツの内容は豪華でした。自室に戻りゆっくりチェックして見ると、ディスク(ヘビー)3枚・大会ポロシャツ・ステッカー・リーフレット・ショップ案内・ コースマップ・ピンバッジ・マーカーなどなど。これ等が小型のキャディバッグに詰められていた。なかでも全員が凄いと感動したのはコースマップ。大会に使用する4コースはグーグルの航空写真を基にレイアウトされ、全ホール(つまり72ホール)がイラストと距離表で紹介されており、一冊のガイドブックとして装丁された高価版なのです。これは10$くらいで販売していたと思います。 1-3 アトラクション(★印)について スケジュールにあるアトラクションは夕刻からのスタートです。なお、日中開催されたフィールドイベンツとジュニアダブルスは本大会エントリー時に登録(有料)が必要です。 ①フィールドイベンツ a.ディスタンス(distance)=ドライビングコンテスト 5人同時にスローし、5投中の最長飛距離を光学式スコープで読み取り記録される。 アンハイ投げの人が多い。私(グランドマスター)は4投目のプロレイスが最長距離で、95.5mだったが、そんなプレーヤーはザラに居て最長記録は18才の150.5m。 b.パッティング(Putting) 10m~20mの18ホールを1枚のディスク(エビアが主流か?)でラウンドする。 距離は無いが緊張する。それと色々な個性溢れるパッティングスタイルを見るチャンス。 c.スキルショット(Skill Shot) 各ホール毎に指定された投げ方でゴールするまで行う。ゴールには半径10mのライン(アイランド)が引かれており、1投目でライン内に入れば30ポイント、2投目だと10ポイントが貰えるなどと、18ホールのラウンドスコアとポイントの合算で競う。 d.ミニゴルフ(Mini golf) マーカーディスク(金属製はダメ)を使い、ミニゴール(6分の1スケール)を攻める。 身長2m近いプレーヤーが背中を丸めて、真剣な表情で最終パットをしている光景は実に微笑ましいものがある。日本でも東京オープンのアトラクションで採用されていた。 e.エースプール(Ace pool)=ホールインワン コンテスト 一人5$を投資し、期間中にエースを達成した者で集金額を配当するものらしい。 ②ジュニアダブルス (男女混合ダブルスも併催) ペアを組み午前・午後と1日ラウンドし、我がチームからは青木&横田ペアが出場し、見事3位に入賞しました。あっぱれ ジャパンジュニア!。 ③プレーヤーズミーティング 参加者が500名以上と多い為、市内にある高校の体育館を借り切り実施された。 まず前年のチャンピオン表彰があり、簡単なスケジュールとルール説明。休憩タイムでは地元のMLBチームのマスコットキャラクターの着ぐるみを着た人(大会スタッフか?)が、踊る・跳ねるなどのパフォーマンスで観客を沸かせていた。参席していたプロ達も笑顔を絶やさずジョークを連発したりと、ショーマンシップを忘れないのだ。 閉会後の会場は再会した者同士の歓談の場となり、プロを囲んでの握手とサイン攻めの光景も見られた。最後に初日(第1ラウンド)の組合せ表を確認して会場をあとにした。 ④フライマート オフィシャルホテルで行われた即売会は30店舗ほどがひしめき合ってショップを出している。100$を出資すれば出店出来る。アメリカでは今漢字が人気なので、オリジナル(漢字入りデザイン)のTシャツ・タオルなんかを売れば結構儲かりそうである。 ⑤デモンストレーション ジェンキンス兄妹やフェルドバーグ等のトッププロが講習会を開いている。バレリーが“こうやって投げるのよ”って指導していて、全く同じフォームで投げたディスクは同じ所に飛んでいく。又、兄エブリーのローラーには度肝を抜かれた。上空に高く(20m位)投げ揚げられたディスクは落下した後、鉄道のレール上を走る列車の如くはるか200mほど先のゴール目指して転がって行くのです。“信じられない”“凄~い”の歓声が・。 ⑥ピザパーティ&グローダブルス 会場の受付テーブルには山の様に積み上げられたピザが有り、紙製のパイ皿とナプキンを手にして並ぶのである。1枚ずつ皿に盛ってくれたピザを外に並べられたテーブルに運び、ワイワイガヤガヤとゴルフ談義を楽しむのである。ただし飲み物は有料であった。 グローダブルス(glow doublesというのは夜間行うダブルスのイベントで、フラッシュライトを組込んだディスクや、グロースティック(折り曲げると光る)をディスクに貼ったディスクを交互に投げて(オルタネート方式)競うもの。にわか蛍が乱舞するのである。 1-4 コースチェック 22日&23日 ホテル~各コース間の移動経路や所要時間の確認をした。これには市内の道路地図と配車プログラムを参考にチェック。何処からも30分~1時間くらいでの移動が出来た。 ただ、会場(公園)はとにかく広大で数箇所ある駐車場の位置を選択しておく必要がある。 2.いよいよ本戦 2-1 コースの環境 ①ティーはコンクリート製。各ホールともレイアウトが看板に掲示されている。ゴールの位置は大抵3~4箇所あり、大会に未使用のポストにはキャップがしてあった。各ホール共広いのでOBは殆ど見当たらなく、隣のホールとの干渉はまず無い。境界表示には赤のスプレー又は白色のテープが張られていた。バスケット周りの半径10mには赤又はオレンジ色のスプレーでパッティングエリアのラインが引かれており、パッティング順が判りスムースにプレー出来るスタイルであった。距離が的確に把握出来、パットの有効な情報となった。これは日本でも採用されると良いと思う。 ②各コースの数箇所にクーラーボックスが置いてあり、ラウンド中の水分補給が行えた。 ③風が強く吹くコースだったと思うが、ゴールのポスト上に風力チェック用の旗が差してあった。3色(風速○マイル表示有り)に分けられた旗の動きで風力を判断するのである。 ④林間内のホールやゴールが見えないホール等にはマーシャルが配置されており、バリー・シュルツ等の一流プロも協力してくれていた。“サンキュー ヴェリマッチ!”って言葉が自然に出てくる。決勝ではジュリアナがスコアボードを担いでラウンドしていました。 ⑤全体的にゴルフコースは広大で、ホール同士が交錯することなくゆったりしている。 林間ホールがふんだんにありオープンスペースから林間の中にゴールがあったり、林間を抜けたオープンスペースにゴールが。勿論、林間内のトンネルホールはドッグレッグしていたりで難易度を更に高くしている。とにかく気(木?)が抜けないのである。 2-2 コース紹介 ①Dretzka Newコース 全長距離5,295Feet 平均距離は約100m ②Dretzka Originalコース 5,476Feet フラットで ③Dineen 5,585Feet 林間トンネルが多い ④BrownDeer 5,977Feet タフなロング(Max 738Feet)ホール有り。 各ホールの詳細については浅谷氏の 【TeamJapan2さんの公開ギャラリー】を参照して下さい。 http://picasaweb.google.com/TeamJapan2 2-3 成績 ①浅谷 信 アドバンスクラス 231位(+67)(トップとのストローク差/6ラウンド合計) ②横田 一平 マスタークラス 85位(+72) ③河内 秀夫 グランドマスタークラス 48位(+53) ④小室 友彦 グランドマスタークラス 52位(+63) ⑤青木 雅樹 ジュニアダブルス戦 第3位入賞ジュニアU13クラス 11位(+82) ⑥横田 健次郎 ジュニアダブルス戦 第3位入賞ジュニアU13クラス 9位(+65) 2-4 フレーズ雑学 ①2minutes !!(ツー ミニッツ) プレー開始2分前にエアーホーンが鳴ると、気づいた誰かが前後のホールに向かって“2minutes !”と呼びかけている。あたりからもこだまの様に聞こえてくる。ここでお互いに握手を交わし自己紹介をする。ニックネーム(私は“ちゃり”)の場合が多い。 ② ○○○Please (○○プリーズ) スコアの申告は数字で告げる。パーとかボギーとは普段言わない。 ③ Nice 2(ナイス ツー) スコアを申告した時、日本では“ナイスバーディ”とパートナーが称えますが、ここでは“Nice 2”とか“Nice 3”って言うんです。パー4やパー5があり得るアメリカならではの褒め方なんですね。 ④OB 3 (オービー スリー) これはOBを出してスコア3で上がった時。 マル(○)3などとは言わない。 ⑤Last One (ラスト ワン) 最終ホールを迎えたティーでは全員が握手を交わしながら、これまでの健闘と感謝を込め小声で力強くコールする。 3.アフターライフ 他 ①MLB観戦 本場のメジャーリーグ戦を観戦。大リーガー達のプレー振りに感動しきり。 現地でのアルバムが紹介されています。【総合写真集パート2】を参照して下さい。 http://picasaweb.google.com/amworld2007/PDGATeamJapan2 ②市長訪問 今回の開催地を調べてみると、ウイスコンシン州は牛肉の売上高が米国一。また、ミルウォーキー市はビールで有名(昔のコマーシャル:ミュンヘン・札幌・ミルウォーキー)。 私の住んでいる那須塩原市は牛乳生産高が本州でトップであり、ジャパンオープンの開催市です。ともに牛をなかだちとしスポーツを通じ交友を少しでも交えられたらと思い、日本出発まぎわであったが市長に提案したところ、公的でなく団体(那須DGC)としての訪問ならOKと激励のお言葉を頂いた。お土産として所属する体育協会からスポーツ用品や観光協会からどっさりパンフレットを準備して頂いたが、事前のアポイントメントが取れなかった。大会前日の練習日にミルウォーキー市長を訪問したが、矢張りこちらの意図が通じず(会話力のなさによる)押し問答。どこをどう勘違いされたのか姉妹都市締結に関する話題に発展する始末。汗だくで喋りまくった結果、1時間後には拳銃まるだしのSPを従えた市長補佐官が応対してくれたのだ。姉妹都市の申請書を受け取り名刺交換とお土産の受け取りを了承して貰えることになった。帰国後、同補佐官からお礼のメールが届いたので那須塩原市長に報告に上がったが、姉妹都市は考えていないとの事であった。 ③レンタカー レンタカーは車内スペースに余裕が有るRV車にしたので、快適なドライブが楽しめた。 但し、手続きの違いでカーナビゲーターが付いてなく不便であった。カーナビは必要であり出来れば日本語仕様が良いと思う。左ハンドルなのでワイパーとウインカーの配置が日本車と逆。朝一番のスタートは大抵逆に動かしてしまうのだ。これは日本に帰ってからも4~5日やっていました。駐車ブレーキは足踏み式で解除はハンドル式だった。 面白かったのはリモコンのキーロックで、オン・オフの度に“プッ・プッ”とクラクションで確認音が鳴る。しかもどの車も同じ音なので駐車場ではあちらこちらで“プップップッ”とオナラの大合唱(笑い)。 ④ガスステーション(ガソリンスタンド) 燃料の給油はほとんどセルフサービス。それに店内にはコンビニエンスストアがあり燃料と同時に精算する。ちょっとした買い物はここで済ますことが出来る。 ⑤ホテル~会場間の移動 我々は、アドバンス・マスター・グランドマスター・ジュニアと4つのクラスに参戦しており午前・午後とコースが変わる6名の選手の煩雑な送迎が必要であった。これには事前に作っておいた『配車プログラム』が威力を発揮した。 ⑥ドライブテクニック 道路は一般道・郡道・州道・国道・高速道路とあるが、案内板での表示が整備されており走り易かった。但し、車線変更の準備は必要で、一旦曲がりそびれると目的の通りに戻るまでには軽く10~20分とロスをしてしまう。なぜなら次の交差点や出口間の距離が長い場合があるからだ。 ⑦食事・買い物事情 レストラン等で食事をオーダーする時はメニューをしっかりチェックすること。『Lサイズやファミリーサイズ』の注文は慎重にした方がベターだ。ボリュームの凄さに驚かされる。 大会会場では食事どころか自動販売機すら無いのが普通で、昼食をドラッグストアやスーパーで買い込むことになるが、矢張りサイズ・ボリュームはデカく大きい。キングサイズやファミリーサイズのものが占領しており、レジに並んだ列には買い物カート2台って客もザラに居るのである。或るとき、薬を買いにドラッグストアに立ち寄ったが、店の一隅にドライブスルーがあったのには驚かされた。車社会の国なのである。回転寿司は無かった。 ⑧ホテルライフ オフィシャルホテルなので、イベントの情報は早くまずまず快適であった。 1階ロビー横 のパソコンルームは部屋の合鍵(カード)があれば24時間自由(印刷も)だった。また、隣の駐車場エリア(300~400台)内にはスーパーやレストラン・クリーニング屋などが有り、公道に出ることなく用事が済ませることが出来た。 ⑨アメリカンスタイル 出場している選手やその家族中がDGに熱いのだ。プレー出来る時間帯(日没8時?)が長いせいもあるのか、とことん楽しんでいる。だから夕方6時からのトワイライトプレーやグローディスクを使ったナイトプレーが出来ちゃうのです。また日本で言うマンスリーの様なイベントは毎週やっているらしい。彼らの貪欲なまでの遊び根性がなんとも羨ましい。 4.ジュニアからのコメント プレーの進行など弊害はなかったが、ドライバーの飛距離やパットの確立度のアップが課題に残った。また会話がもっと出来れば楽しさも 何十倍も得られたと思う。全く同感至極ですネ。これらの感想について我々のホームページの【アマ選手権を振り返って】を参照して下さい。 http://sports.geocities.jp/jp20070724/kansou.htm 5.所感 私は2005年に初めて参加させて頂き、今回で2回目。プロの大会と違いアットホームなこのイベントに魅了されました。ディスクゴルフは本場アメリカでも決してメジャーではなくジュニアクラスも底辺は小さめです。だからこそ世界で活躍するチャンスとも言えるでしょう。 それには各協会のご理解・ご協力とJPDGA事務局のサポートなどが不可欠かと思います。 具体案としては、DG事情を心得た添乗員付きの「参戦ツアー」の設定です。 これなら現地へのアクセスや日常の活動に支障なく、子どもや年配の方も安心して参加できると思います。 最後に、JPDGA事務局はじめ㈱ヒーロー殿と、愛する家族に厚く感謝を申し上げます。 |
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