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第10回みちのくオープンは、8月22日、23日の2日間、岩手県北上市の総合運動公園特設コースで開催されました。10回の節目にふさわしく、招待選手2名を含む95名のエントリーをいただき、みちのく史上最多人数で、盛大に開催されました。高校授業日と重なり、6ホールの公式練習コースクローズド(歩いての下見)となったことは、選手の皆様に大変申し訳なく思います。


今年の「みちのく」も、#5「Pro239m/Ama180m、Par5」国内屈指の難コースを自負する「タイト&ロング」やレフティ・キラー#11「ビーチ」などの名物ホールに加え、#10復活「アサシン前進」、#16「岬」など、気の抜けないホールを用意しました。これらの難コースとともに、参加選手は、雨や湿気、ぬかるむティ、そして、(大変心苦しい)日没サスペンデッドに対応しながらのラウンドとなりました。例年以上に技術と精神力、集中力が試されたのではないかと感じます。
また、今大会は、10周年の記念大会として、梶山学、福原有希両選手に招待選手として参加していただいたことや、レセプションとして地元の郷土芸能「鬼剣舞」を披露したこと、来年度の岩手国体キャラクター「そばっち」による試投式といったイベントも大いに盛り上がりました。
 今回の経験(反省)を含め、これまでの「みちのくオープン」を振り返り、今後のあるべき姿を検討してまいりたいと思います。
最後になりますが、今年も素晴らしい会場を提供してくださった岩手県立翔南高等学校をはじめとする関係各位、全国から参加してくださったプレーヤーの方々に対し、あらためて感謝申し上げます。
これまで、10年間、「みちのく」を愛してくださって、本当にありがとうございました。
(TD:黒渕正人)

ここからは、みちのく名物「スタッフリポート」となります。全てのプレーヤー・ディスクゴルフを愛する岩手協会メンバーのレポートですので、長文・迷文は、なにとぞご容赦ください。

【アマ部門】

「アドバンス」
昨年度チャンピオンの山口(栃木)が第1ラウンドこそ出遅れたものの、第2Rでアマ唯一の50台をマークし、その後もスコアをまとめ、見事3連覇を達成した。2位は北海道から参加の加藤、3位は秋田の篠田、そして4位には、若手の成長頭の福留(拓)が入った。
「アドバンスレディース」
山口(亜)が予選ラウンドすべてを部門最少スコアで回り、アドバンス部門の山口(太)とともに、アベック優勝を果たして連覇。続いて伊東(礼)が地元の意地を見せ2位。3位には久しぶりの公式戦ながら菜花(福島)が、4位は田村(千)という結果となった。
「マスター」
第1、第2ラウンドと接戦を演じた竹林(福島)と吉田(東京)であったが、第3ラウンドに竹林が抜け出しそのまま優勝。2位は、吉田。3位は、第3ラウンドで原田(秋田)を逆転し、昨年の雪辱を果たした形となった村上(岩手)、4位は昨年優勝の原田(秋田)であった。
「グランドマスター」
初日3投差でリードしていた菊池(岩手)を第3ラウンドで逆転した白井(福島)が逃げ切り、連覇を果たした。2位は菊池、第3Rでスコアを伸ばすことができなかったことが悔やまれる。続いて、第3ラウンドを好スコアでまとめた東京の木宮(秀)が打矢(秋田)、五十嵐(茨城)を押さえて3位。4位には僅か一投差で打矢が滑り込んだ。
「グランドマスターレディース」
トップを行く神浦(茨城)は、決勝こそ苦しんだものの終わってみれば10差で余裕の優勝、連覇を達成した。2位は児玉(茨城)、3位は渡辺(洋)となった。
「シニアグランドマスター」
9差を第2ラウンドで逆転した神浦(茨城)が追う宮本を引き離し、昨年に続き優勝。アベックで連覇した。2位は宮本(茨城)、3位山田(茨城)、4位有賀(茨城)と、茨城勢が独占。層の厚さとレベルの高さを示した。
【黒渕正人】

【プロ部門】

「オープン」
アメリカ帰りの梶山、白井を中心に、みちのく常連組がどのような争いを繰り広げるのか注目されたオープン部門。第1R、アメリカ帰りの梶山(招待選手)が初参戦ほぼ初見のコースながら、トップに立つ。そのまま独走かと思われたが、第2Rで白井(一)がプロ唯一の50台、「55(-6)」で回り逆転。白井が6差のリードで第3ラウンドへ。第3ラウンドでは、梶山が、大会ベストスコアとなる「54(-7)」をマークしたが、トップの白井に追いつくことができずに決勝を迎えた。決勝に進んだのは、白井(東京)、梶山(福岡)、佐々木(秋田)、金谷(東京)の4名。5ホールを使用した決勝(パー「19」)では、梶山が4アンダーで白井を追うが時すでに遅し。結局、決勝での大番狂わせ・順位変動は起こらず、7差をつけて白井が優勝。2位に梶山。3位佐々木、4位金谷となった。
【黒渕正人】
「レディース」
 福原(招待選手・愛知)の強さが際立った。予選ラウンドでは一度もトップを譲ることなく決勝に進んだ。福原、中川原(福岡)、塚本(福岡)、加藤(滋賀)という若手実力者4名での決勝では、2位争いが盛り上がった。中川原(230)、塚本(232)、加藤(233)と一つのミスで順位が入れ替わる緊迫した展開となった。わずか5ホールとはいえ、大たたきの可能性のあるホールが続く。福原は、決勝でも危なげないプレーで2位に14差をつけての圧勝。2位には初参戦の中川原(福岡)、3位に同じく初参戦の塚本(福岡)、4位は加藤(滋賀)という結果となった。今回のレディースでは、西高東低といった構図が見られた。
【黒渕正人】
「マスター」
14名という過去最多人数で争われる事となったプロマスター部門は、プロオープンに次ぐ激戦区。
名手、競合を抑えて決勝に駒を進めたのは、川崎(栃木)、アンディ(福岡)、工藤(神奈川)、平林(東京)の実力者4名。
川崎はサードラウンドでオープンの梶山と並ぶベストスコア「54」(7アンダー)をマークして首位に立つ。決勝の舞台は、#14、16、17、18、1の5ホール。
距離の長い#14。1投目をブッシュ手前に置いた川崎は、ゴールが見えないブラインドからのアンハイビッグスローがゴール足元に決まるファインスローでバーディ発進、リードを広げる。
続く#15はゴールが岬状の丘の上に位置する、ティショットの置き所が肝心となるホール。ここで魅せたのはアンディ。フラットな軌道でストレートにゴールを狙ったディスクは岬の斜面ゴール下7mに。距離のある投げ上げパットながら、見事に決めてバーディでトップを追走。
#17は名物ホール「バナナ」。トップの川崎、2位のアンディ共にゴールをデッドに狙った2投目で惜しくもOBと喫するもボギーで凌ぐ。工藤、平林はきっちりとパーセーブ。
#18大きく右にドックレッグするマンダトリーホールのロングホールでは、再びアンディがバーディ攻勢で追い上げる。
#1最終ホールは池越え+林間の難易度高い名物ホール。ここでは4人ともプロマスタートップメンバーの真骨頂を魅せてくれた。セカンドショットが全員林間をすり抜け見事にゴール10mサークル前後に集結。工藤はナイスパー。他の3人はナイスバーディー。優勝の川崎はタップインでウインニングパットを決めた。
優勝は川崎。2位にアンディ。3位タイに平林と工藤が並ぶ結果となった。
川崎はプロマスター唯一のアンダーパーラウンドでの優勝し。アンディも最終ホールを含む3バーディで攻め、スタート前に口約していたイーブンパーラウンドを見事達成しての2位。平林は3位工藤を猛追し、同スコア工藤と共に3位タイとなった。
【伊東格】

「マスターレディース」
 プロ・マスターレディースの決勝は、佐藤(東京)・兼弘(栃木)・金子(東京)・大滝(秋田)の4名で行われた。準決勝を終えた時点で、佐藤が他の選手との差を広げた中で、兼弘・金子・大滝がどれだけ追い上げられるかが見どころとなった。
 ♯18のロングホールからスタートとなったが、佐藤がパ―で上がり更に1歩リード、続く♯1、♯14、♯16、♯17とも、佐藤選手の安定したプレーが後続の選手を寄せ付けず、終始首位を守り続けた。
 結果は優勝:佐藤、2位:兼弘、3位:金子、4位:大滝となった。
【伊東礼子】

「グランドマスター」
いつもどおりの顔ぶれに、岸(神奈川)とカール(埼玉)が加わり11名で競われた。今大会#5、#10、#11、#13、そして#17のトラップホールをいかにクリアするかが勝敗の分かれ目であり、自分を見失いやすいプレーヤーにとっては頭の痛いところである。
準決勝で8人に絞り込まれ、高倉、大島、河合がここまでとなったが、例によってスコアの差はごく僅か。準決上位の岸、藤井、金子、カールと下位の諸岡、櫻井、大滝、阿久津の差は11。5ホールに短縮された中での巻き返しは厳しい状況。結局差は縮まらず、岸、金子、カールが3人トップタイ、3差の藤井が決勝へ。決勝スタートホールは#17。岸と藤井が痛恨のOBで⑥、金子とカールがパーでまとめ早速順位が動き出す。#18はカールと藤井のアンハイがきれいに伸びるナイスショット。それぞれセカンドでパット圏内まで寄せるが、藤井のショットは伸びすぎてOB。皆決めきれずに4と⑤。残り3ホールで金子とカールが並んで首位、2差で岸、さらに4差で藤井。#1池越え。岸のフォアハンドがきれいに伸びこれはと思った瞬間、木に当たり右に弾かれ水しぶき。藤井はバーディ、カールはパー、金子パット決まらず岸と共にボギー。この時点でカールが単独首位に立ち、1差で金子、2差で岸、さらに2差で藤井とばらけた。セカンドが勝負となる#14。藤井のセカンドはゴールに吸い寄せられるかのように足元へ。岸とカールのフェンス際の難しいライからのサードはパット圏内へ。セカンドをショートした金子のサードは大きくオーバーし2パット。首位カール、2差で金子、1差で岸、さらに1差に連続バーディで追い上げる藤井の展開で最終#16へ。一発逆転を狙う藤井のティショットはスキップでゴール足元を直撃するも右斜面下へ。左に抜けた3人のアプローチは岸が若干距離を残す。この時点で順位確定かに見えたが、岸のパットは右に外れて斜面下へ。結局3パットで5。金子と藤井はパーにまとめ、カールのウィニングパットを残す。落ち着いてパーパットを沈めたカールは静かにほほ笑んだ。雄叫びはなかった! カールは清里に続き今季2勝目。2位に金子、3位には藤井が入り、岸は初めてのみちのく参戦ながら4位入賞を果たした。どんとはれ。
【横田一平】

「シニアグランドマスター」
プロシニアグランドマスターの決勝は、五味渕(栃木)、髙野(秋田)、地元斎藤(岩手)の三人で#1、14、16、17、18の5ホールを使用。トップ五味渕と高野とは1打差、2位と5打差で斎藤が追いかける。
#16からスタート、斎藤はパーで上がるが二人はボギーとし、#17(バナナ)へ。五味渕、高野はOB連発で苦戦、斎藤は善戦したがボギーで上がる。この時点で高野がトップ、五味渕と斎藤が続く。#18、#1と終わり、五味渕と斎藤がトップで並び、1打差で高野が続く。
最終#14、斎藤のセカンドは、力んだのか下りのへりの草に取られ大幅にショート。ここをボギーとし決勝終了。優勝は五味渕、1打差で高野、斎藤が2位タイという結果であった。
見ているほうは、順位がコロコロ変わり面白い展開であったが、プレーしている当人達は、心臓が痛くなるような試合であっただろう。
【菊池茂樹】