梶山(学)念願の初優勝!!!レディスは福原が接戦を制し優勝!
~Gマスターは、白井が3連覇・川崎・金子決勝へ~
今年も、台湾で行われるアジア選手権にJPDGAの協力で、参戦することが出来た。一昨年同様、南の大都市高雄で開催。公開練習も含め好天に恵まれ、ディスク三昧の3日間となった。
広大な敷地の「高雄メトロポリタン・パーク」内のコースは、少し難しくなっていて、よりアメリカンな感じが出ている。高低差に加え、公園の中に、河川、池、そして森が程よく配置され、各ホールが、記憶に残る変化に富んだものなっていた。
参加選手は、現在、レイティングランキング世界9位(1033)アメリカからボビー ミュージックはじめ、日本、韓国からも参加選手が多数あり、盛り上りのある大会となった。
※コース:18ホール、パー58、Av104.6m(準決・決勝はAv119mとなるパー30)。
公開練習当日は、午前中、ワールドゲームスの行われた競技場周辺にある、常設コースで投げることとなったが、このコース、特設があり、とても面白い設定がなされていた。大会前に、2~3日合宿を行ってみたい環境だった。
本番のコース練習は、2ラウンド目を回り、納得のいかないコースの確認を行った。
<初日>1ラウンド目、オープンは、梶山(学)、ボビー、地元の羅が51、接戦の様相を呈した。
レディスは、初参加福原が、2011のこの大会で、世界チャンピオンのバレリーを破った陳を抑えて、トップ。
Gマスターは、前回3位の川崎が、56の好スコアでトップ。2位に1差で前回のチャンピオンの白井、そこから2差離れて、前回2位の台湾、呂と金子が3位タイで続く。
余談だが、呂のディスタンス力は相変わらずで、ノーステップで120mを投げる力に衰えは見えない。逆に、ステップを少し覚えたことと、手首の使い方が、格段に進歩していた。40~50mのアプローチは、ほとんどテイクバックなしでゆっくりスムーズ。パットも同様に、15~20m位なら、ストレートで伸びてくる。現在も週に5日はジムに通っているとのこと。
2ラウンド目のオープンは、梶山(52)が、ボビー(55)を抑えてホールアウト。黒田は、62とややスコアを崩し6位、1差に横田が続いた。4位は、韓国のJKカンが健闘し、初日が終了した。
レディスは、初日、福原が陳に5差を付けて好調を持続、また、上位陣に刺激を受けたのか、初参加の兼弘がシナ キムを1打押さえて4位で折り返す健闘を見せた。難コースに苦戦の金子(慶)は、徐々に調子を上げ、目標の70台まで、あと一歩に迫った。
Gマスターは、初日を終わって、白井が逆転でトップへ、2差で川崎と呂が並ぶ展開。4位には、金子を逆転したJTChenが浮上した。金子は4位と2差。櫻井は5差で2日目に期待がかかる。五味渕は、なかなか波に乗れないラウンドが続く。
<2日目>3ラウンド目、オープンは、ボビー(52)が反撃、梶山(54)との差は1打。黒田は、JKカンとの差を1つ詰め準決勝に望みをつないだ。1差で横田も、虎視眈々と決勝を狙う。
レディスは、2位に付けていた陳が好スコア62をマーク。トップ福原に1差でまで詰め寄り決勝を迎えることとなった。初日4位と健闘した兼弘は、初の海外トップグループに緊張したのか、やや崩れ、惜しくも決勝進出はならなかった。金子(慶)は、好調な滑り出しから、目標の70台を記録して全ラウンドを終了した。
Gマスターは、3ラウンド目ベストスコアの51で回った白井が、2位川崎に6差を付けトップ。3位は、やや崩れたものの呂が入り、残りの1枠には、59の好スコアで台湾勢を振り切った金子が入った。櫻井は、粘りを見せたラウンドだったが、金子と5差の8位に終わった。五味渕は、3ラウンド目に入って、やや本来の調子が戻り60台を記録した。
レディスの決勝は、残念ながら、最終ホールしか見られなかったが、1ホールを残して、福原と陳が、まったくのタイスコアとなっていた。最終ホールは、難しいストレートの75m。幅2mの両脇には、均等間隔に樹木が並ぶ。
緊張が最高潮に達する中、投げ出された福原のディスクは、ゴールに吸い寄せられるように、少ない空間を切り裂いた。サドンデスを思わせる戦いに、決着を付ける会心の1投。大歓声が、戦いの激しさを物語っていた。
Gマスターの決勝は、1ホール目から淡々と進んだ。動いたのは、決勝の6ホール目、ここをOBとした白井は、続く7ホール目もOB。この2ホールを連続バーディーで追い上げた川崎と1差の展開となった。8番ホールは、125mで樹木帯を抜けるコース。アンハイで樹木の上を抜くラインもあるが、高さ15mを超える樹木に当たると、100m以上を残すこととなる。川崎は、低めのストレートで上手くオープンエリアに運ぶ。残り60m。白井は、樹に当たるとここで追いつかれる展開。選択したのは、ローラー。何度か練習して感触の良かったショットの選択だった。樹木ぎりぎりを通過したディスクは、残り45mに。川崎のアプローチ。ショートだけは避けたい意識からか、やや強めに投げ出されたディスクは、スキップして奥の川へ。私もこの時まで、あまり意識の無かったOBだった。これで2差。
最終ホールは、142mでフェニックスに囲まれた中のゴール。1投目、100mを超えるショットをした川崎と白井。ここを2として、相手の動揺を誘いたい川崎は、大きなハイザーで直接カップを狙いに行く。集中力を高めた川崎のショットは、チェーンをクロスしたかに見えた。しかし、惜しくも50cm奥を通過して、万事が窮した。
一方、3位と2差でスタートした金子は、海外での初決勝に緊張したのか、動きが硬く、前半でミスが続いた。後半は、硬さも取れ本来の動きから、スーパーショットも生まれたが、時遅く、4位に甘んじた。3位には前回2位の呂が入った。
オープンは、準決勝で、その差を2とした梶山とボビーの一騎打ちとなった。黒田は、準決勝で、4位まで3差としたが、惜しくも決勝進出を逃す結果となって6位。横田は、攻めが裏目に出たのか13位に後退した。
オープンの決勝は、1番220m。160m辺りに両脇から迫り出す森がある。クリアしたのはボビーだけだった。奥5mからのパットを決めてバーディー。梶山との差を1とした。
2番、ここは無難に2人ともパー。
3番、木が点在する142m。左に道路が並行して走りOBとなっている。ボビーが、60m辺りの木に当てる。投げにくい体勢であったが、ほとんどテイクバック無しで80mを寄せ、技ありの3。梶山は、惜しくもパットが決まらず同じく3。
4番、幅2mのストレート75m。樹木に阻まれ2人とも届かず3。ボビーは、太い樹木で、まったくゴールが見えない裏側からの8m。綺麗なアンハイでチェーンに絡む惜しいパットだった。
5番105m。ストレートと、ビックハイザーのラインがあるが、両者ともハイザーを選択。ボビー手前に8m。梶山、坂下から投げ上げ7m。先手のボビーが、ここを勝負所と踏んだのか、ゴール奥の坂を恐れず、強気に攻めてバーディー。この迫力に押されたのか、梶山が、奥からのパットを外す。ここで両者まったくのタイスコアとなってしまった。
6番、前面の樹木の下を抜き、左にスキップさせるコース85m。ボビーは右から攻めるも、やや強すぎて帰り切らず15mを残す。梶山は、左からビッグアンハイ。ラインは良かったが戻り切らず、右の道路へOBかと思われたショット。道路脇の樹木に当たって8m。パットにやや精彩を欠いていた梶山だったが、十分時間をかけた勝負のパット。気持ちが乗り移ったような完璧なパットだった。ここを2として1打リード。振り返ると、この1打が優勝を決定付けることとなった。7番、池越えの80m。ここはともにバーディー。8番は、125mで樹木帯を抜けるコース。ここは、無難に両者3。
最終ホールは、ともに完璧なショットを見せ、大歓声の中、梶山がウイニングパットを沈め、大会初優勝を決めた。
決勝9ホール全てが、サドンデスのような緊張感の中、この勝利は、梶山にとって大きな収穫となったに違いない。
<イベント>
決勝前に、ディスタンスのデモンストレーションが行われた。1番ホール (パー4)220mのフラットな芝生広場を逆に使って実施された。勝ったのは、好調梶山(学)、右前方からの、距離を出すには難しい風の中161mを投げて見せた。2位は地元のリチャードが159mを記録した。女子は、124mの記録を持つ福原が、悪条件の中117mと大健闘を見せた。
アジア選手権は、本場のコースが楽しめる2年に1度のチャンスと言える。オープン決勝では、世界トップのプレーを間近で見る事も出来る。2年後は、是非多くのプレーヤーに、参加してもらいたい大会だ。
<オープン>
梶山 学 51 52 54 26 27 210(-24)
Bobby Musick 51 55 52 27 26 211(-23)
羅 佳任 51 56 54 29 30 220(-14)
Junkoo Kang 60 55 58 32 30 235(+1)
<レディス)
福原 有希 62 63 66 31 222(+18)
陳 佳芳 64 66 62 31 223(+19)
<Gマスター>
白井 一夫 57 55 51 32 195(-9)
川崎 篤人 56 58 55 29 198(-6)
呂 國基 59 55 63 30 207(+3)
金子 栄治 59 61 59 31 210(+6)
※パー表示はコースマップに基づいて記載しています。
(辰巳の森・白井2015.2.15)